台湾のプロ野球チーム「Lamigoモンキーズ」に所属している王柏融(ワンボーロン)選手。

この選手が、今日本の各球団に非常に鋭くマークされています。

それだけ圧倒的な可能性を秘めている選手なわけですが、ここではこの王柏融選手が一体どんな選手なのか、そして日本のどの球団に来そうなのか、についてまとめてみました。

 

生い立ちから覚醒まで

小さい頃は台湾のスター「王建民」投手に憧れて野球を始めました。しかし、王柏融は、小中高時代は野球に関してはエリートでは無く、全く知名度がありませんでした。なんと、高校時代はホームランを一本も打っていないそうです。

しかし、王柏融を変えたのは大学の頃。バッティングを伸ばすために、守備の負担の少ない外野手にサードから転向し、コーチの指導の下、しっかりと筋肉トレーニングを行い、引っ張りを意識するようになりました。

その成果もあり、2014年には「アジア競技大会における野球競技」「21U野球ワールドカップ」などの国際大会に台湾代表として出場。そこでの活躍が台湾のスカウトに評価され、2015年の台湾で行われたドラフト会議で「Lamigoモンキーズ」に全体4位で指名され、プロの世界へ飛び出していきました。

 

王柏融の身長と体重は

身長 181cm

体重 91kg

となっています。

ここは平均的ですが、日本史上最高の打者である王貞治さんは177cmですから、王柏融がとんでもない打棒を見せても不思議ではありません。

あだ名は「柏融大王」。大王という呼ばれ方は、それだけ偉大な打者として認められている証拠なのではないでしょうか。

 

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王柏融の台湾での成績

王柏融の1年目でのLamigoモンキーズでの成績は打率.324、本塁打9本でしたが、これはルーキーの成績にしては大変立派です。

そしてプロ2年目。王柏融はとてつもない成績をたたき出しました。

「得点130」「安打200」「塁打333」「打率.414」と台湾プロ野球の歴代記録を次々と更新。

さらに本塁打も29本、盗塁も24本と身体能力の高さを、まざまざとアピール。

2016年に貰ったタイトルは「首位打者」「最多安打」「最高出塁率」「MVP」「新人王」「ゴールデングラブ賞」「ベストナイン」「月間MVP」などとタイトルを総なめしました。

プロ3年目の今年(2017)も王柏融の勢いは凄いままです。打率は4割を超えていて本塁打も30本を記録。記録的活躍だった昨年の成績を続けざまに残すのですから、その実力は本物中の本物と言って過言ではないでしょう。

さらに三振が少ないという特長があり、2016年に打率.414を記録したときも三振数はシーズンを通して「59」しかしていません。

 

日本レベルで見た打撃・走力・守備力

しかし、ここまで挙げてきたのはあくまで台湾リーグでの話です。

台湾プロ野球は、日本プロ野球よりも明らかにレベルが落ちます。

その上、台湾リーグは極端な打高リーグとなっていて、なんと過去数年間を見ても、首位打者はみな3割5分以上を打っているのです。

そんな中で活躍したところで、果たして王柏融は日本プロ野球界でも良い成績を残すことができるのでしょうか。

 

走力・守備力

まず走力について言えば、盗塁の成功率がとても高いので恐らく大丈夫でしょう。

確かに日本の投手の方がクイックが上手いので台湾時代のようにはいかないと思いますが、センスそのものはあるのでそれなりにできると思います。

ただ守備はそこまでうまくないですね。確かにゴールデングラブ賞を取ってはいますが、それはあくまで台湾リーグでのレベルなので。ここは、一つの不安材料と言えるかも知れません。

ですが、そこは日本に来て上手くなればいいのではないでしょうか。肩もまずまずですし、足も速いわけですから外野手としてのポテンシャルは十分にありますからね。守備位置は主にレフト・センターですが、ライトもできると思います。

 

打撃力

台湾リーグがレベルの低い・打高なリーグなのであれば、いくら王柏融が素晴らしい打棒を台湾リーグで見せたところで大して当てにならない、ということになります。

しかしながら、王柏融の打撃力が本物であることを証明する、最高の機会がありました。

それは2017年2月28日に行われた、CPBL代表VS日本代表の壮行試合です。

 

この試合で王柏融は3番センターでスタメン出場。

なんと、

「犠牲フライ」「ホームラン」「ヒット」「四球」「ツーベース」

と全ての打席で結果を残したのです。

そして何より驚かされたのが、楽天イーグルスのエースである則本投手から打ったホームランです。

・王柏融VS則本

ここで評価できるのは、

日本の一線級の投手から打ったこと

そして

飛ばないと言われる国際試合の球を余裕を持ってバックスクリーンに放り込んだこと

の二つになります。

このホームランも、上がったときはまさかフェンスを越えるとは思えないような打球だったのに、そのままスタンドまで運んでしまいました。

私も長らく日本プロ野球を見てきましたが、これはまさに本物のホームラン打者のみが打てる打球です。

ですから、バッティング技術のみならずパワーも折り紙付きなのです。

 

・王柏融のHR動画集

 

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しかしパワーと言えば、日本人で彼の右に出る選手はいないでしょう。

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メジャーでは史上最高レベルの長打力を持つと言われるこちらの選手です。

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王柏融が入りそうなのは巨人・阪神?

王柏融はLamigo TVのオンライン番組で「海外進出するならアメリカよりも日本」と答えています。

この事から、近いうちに王柏融が日本でプレイをする可能性はとても高いです。では、どこの球団に入りそうか。

2017年5月に「阪神」「ソフトバンク」「ロッテ」「西武」「オリックス」の5チームが王柏融の獲得を考えている事が報道されました。この中に巨人の名前はありませんでした。

確かに巨人の外国人枠はマイコラス・マシソン・カミネロ・マギーと戦力になっている選手ばかりなので、外人枠の影響上、王柏融を取りにくいと思えるかも知れません。

しかし、巨人という球団が、その莫大な資金力で必要以上に選手を取るのは、もはや恒例行事と言っても過言ではありません。守備位置が重なろうと、外国人枠の関係があろうと良い選手がいたら形振り舞わず取りにいくところがあります。

もっとも、最近はそういう姿勢も少しなくなっては来ていますが、それでも今年の巨人が低迷した最大の要因である攻撃力を解消できる可能性のある素材なわけですから、王柏融を取りに行くことは十分に考えられるでしょう。

さらにマイコラスかマシソンがメジャーに戻る可能性がありますから、そうなれば間違いなく全力で取りに来ると思います。

 

しかし、もちろん他の球団も指を咥えて黙っていません。

その第一筆頭になりそうなのは、ソフトバンクです。

ソフトバンクは資金力が無限に近いほどあるので、マネーゲームになれば巨人にも負けません。しかも、王柏融は憧れの日本選手に「柳田悠岐」を挙げています。柳田と言ったらソフトバンクを代表するスター選手。ポジションも同じ外野手という共通点もあります。

莫大な資金力に加えて憧れの選手がいるという点で、ソフトバンクの優位性に疑いの余地はないでしょう。

ただ王柏融は柳田以外にも「糸井嘉男」も憧れの選手と挙げていました。阪神もお金には余裕のある球団なので、年俸に関してもさほど問題はありません。

ですから、その気になれば若干分が悪いとはいえ、巨人やソフトバンクとのマネーゲームにも参戦することはできます。

しかし、現在の阪神は若手の外野手が飽和状態です。王柏融を取ってしまうと外野手が更に多くなってしまいますし、若手の育成にも支障が出るので、そこが難しいところです。

その他の球団では、やはりオリックスでしょうか。

他2チームは、やはり財政的に厳しいと思います。

ソフトバンク、巨人、阪神のいずれかが本気を出したらほぼ勝てませんからね。

 

最後に

高校通算0本からプロ野球史に名を遺す大打者になった選手と言えば、小笠原道大(現中日二軍監督)です。個人的には、王柏融選手と彼はダブるところがありますね。

やはり高校時代は身体の完成度に個人差があるので、プロに入って身体が出来上がったときに、その選手の本当のポテンシャルがわかるということだと思います。

柳田選手も高校時代は16本しか打っていないですし、そう考えるとあんまり関係ないかも知れませんね。

 

王柏融はまだ年齢も若いですし、早いところ日本に来た方が良いと思います。

台湾野球に納まる器ではないでしょう。

もしかしたらそれこそ、球史に名を遺すような打者になるかも知れないのですから。