2017年、メジャーリーグではアーロンジャッジという選手がかなりの注目度となっています。
彼は過去の実績はほとんどなく、今年になって一気にブレイクしたのですが、一体どんな選手なのでしょうか。
松井秀喜さんの愛弟子の噂等も含めて、その実態を取り上げていきたいと思います。
アーロンジャッジの選手像
アーロンジャッジは1992年4月26日生まれで右投げ右打ちの外野手。
2017年は25歳のシーズンになります。
身長 200cm
体重 128kg
という、メジャーリーガーの中でももっとも大きい部類に入る恵体の持ち主です。
2013年に、ドラフト1巡目(全体32位)でニューヨーク・ヤンキースより指名され、入団。
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過去の経歴
高校卒業後はカリフォルニア州立大学に進学しますが、
大学通算で打率.346・17本塁打・92打点・35盗塁
という成績を残しました。
プロ入り初年度の2014年(22歳のシーズン)は
A級で65試合に出場し、打率.333・9本塁打・45打点・1盗塁
二年目の2015年(23歳のシーズン)は
AA級で63試合に出場し、打率.283・8本塁打・33打点
AAA級で61試合に出場し、打率.224・8本塁打・28打点・6盗塁
三年目の2016年(24歳のシーズン)ではついにメジャー昇格を果たし、
メジャーで27試合に出場し、打率.179・4本塁打・10打点・0盗塁
こうしてみると着実に階段を上っているように見えますが、ドラフト一巡目であること等を考えると少し物足らなさも感じられますね。それに出場試合数の割にホームランが伸びておらず、せっかくの恵体が活かされていないのではないか、という印象も受けてしまいます。
松井秀喜の指導で覚醒?
そこでヤンキースのOBである、この男が立ち上がりました。
そう、日本が世界に誇れる数少ない打者、我らが松井秀喜です。
松井さんは2015年からヤンキースGM特別アドバイザーとして活動しています。
その活動内容にはマイナー選手(主に若手)の指導も含まれているのですが、アーロン・ジャッジは、実績の全くなかった2016年の時点で松井が手を掛けたことが記事になっていたのです。
やはり素材の素晴らしさは当時から誰の目にも明らかだったのでしょう。
まさに大田泰示のような存在ですね。
参考記事:大田泰示のトレードの理由は?日本ハムでの活躍は確変か覚醒か
2017年の大ブレーク
そして大転機となった2017年のシーズン。
アーロンジャッジ選手自身も、これほどすごいことになるとは予測していなかったのではないでしょうか。
2017年6月14日現在で、
試合数 53
打数 213
打率 .347
出塁率 .453
ホームラン 22本
大体10打数につき1本ホームランを打っており、これは2016年に44本塁打でセリーグホームラン王に輝いた筒香選手と同じペースです。
そしてさらに注目すべきは、上の数字からわかるように、打率も残していることです。
.347というのは、首位打者も取得できる水準であり、実際に現在のところアメリカンリーグの打率・ホームランの二冠王です(打点は二位)。
昨年、山田哲人選手がオールスター前までとんでもないペースで打ちまくり相当騒がれていましたが、opsで見るとそれとほとんど変わらない勢いになります。
そこそこの野球ファンであれば、これがどれだけとんでもないことかわかるでしょう。まさに、異次元のレベルの活躍と言ってもいいくらいなのです。
とんでもないパワー
彼の持ち味は、何といってもその巨体から繰り出されるとんでもないパワー。
現在メジャーでは打球の速度や飛距離を計測する「スタットキャスト」という装置が導入されているのですが、そのどちらの最高記録も、アーロンジャッジの叩きだした数字になっています。
打球速度は121・1マイル(約195キロ)
飛距離は495フィート(約151メートル)
これは今年だけではなく、計測され始めてから最高の数値です。
つまり、彼はわずかシーズンの半分の出場のみで、メジャー記録を塗り替えてしまったのです。
こうなるともう疑いようもなく、メジャー屈指のパワーヒッターと言えますね。
ちなみにメジャーの球は本当に飛ばないので、日本で150~160m級のホームランを打っていた松井さんでも、メジャーでの最高は135~140m程度となっています。それでも十分に凄いんですけどね。
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松井はあんまり関係ない・・・?
こんなとんでもない打者を育てたのであれば、松井さんは本当に日本の誇りですよね。
しかしながら、その一方でアーロンジャッジの覚醒と松井さんの指導はあまり関係ないのではないか、という意見もあります。
報道では「松井の愛弟子」等と言われてますが。
2016年の8月に一度記事になったのは、テーマは松井の指導によってアーロンジャッジが二試合連続ホームランを打った、という内容のドキュメンタリー番組です。
松井氏がフリー打撃をしているジャッジに日本語で「何度も言ってるだろ。(体重を)軸足に残して、自分から打ちにいかないんだよ。分かるだろう」と熱いゲキを飛ばす。しかし、日本語が理解できないジャッジは困惑の表情。“何で分からないんだ”とばかりに松井氏がその場を立ち去ると、その様子を打撃ケージ脇で見ていたガードナーが英訳してジャッジに伝えるが…、というストーリーだ。
ジャッジが14日(同15日)のレイズ戦で3回に流し打ちで右中間に運んだ2号は、松井氏がビデオで助言した通り、体重を軸足に残した見事な一撃。テレビ中継で解説を務めたヤンキースのレジェンドのポール・オニール氏も球を引き付けて右方向へ打つアプローチとパワーを絶賛した。
出典:東スポWEB記事より
けっこうこじ付けも感じますが、一応効果があったと言えるのでしょうか。
本人はどう思っているのかはわかりませんが。
まあたとえ本人に聞いても、アメリカ人のことなので空気を読んで
「MATSUIのおかげだよ」
というでしょうから、真相はわかりませんね(笑)
でも昨年の扇風機振りからもわかるように、以前は完全にパワーだけで技術が伴っていない、という状態でした。
あの状態がここまでになるには、よほど大きなきっかけが必要になると思います。
ですからもしかしたら本当に、松井さんの指導がそのきっかけになったのかも知れませんね。
最後に
今年とんでもないことになっているアーロンジャッジ選手も、メジャー屈指のパワーがありながら2016年(24歳のシーズン)でメジャーデビューするまで、マイナー暮らしをしていたわけです。そう考えると、マイナーにはどんな化け物が潜んでいるかと思えてきますね。
しかしさすが、恵体というのはその時点で逸材というのがよくわかる例です。
個人的には大田選手と被るんですよね。パワーを活かす術を見出した途端、これまでの駄目っぷりが嘘だったかのように打ち出す。
そういう選手はある意味ダイヤの原石なわけですから、任されたコーチは彼らの人生と同時に、日本野球の未来を背負っているという意識を持って取り組む必要があるのではないか。
と思います。