バリーボンズは、アメリカ出身の元メジャーリーガー。
人類史上最強打者として挙げられるほどの凄い選手だったのですが、その一方でステロイド疑惑があり、評価も微妙となってしまっています。
ここではこのバリーボンズがどんな選手で、どんな歩みで現在に至るのかについてまとめました。
バリーボンズの生い立ち等
1964年生まれで、本名はバリー・ラマーボンズ。
実は、父親のボビー・ボンズも元メジャーリーガーで8つの球団を渡り歩いた名選手でした。※ボビーの通算ホームランは300本以上です。
父親の影響で、兄弟揃って小さい頃からサンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地の「キャンドル・スティックパーク」に通っていたそうです。小さい頃からプロの野球を間近に見てきたのは、彼にとってかなりの刺激になったことでしょう。
ボンズは学生の頃からスポーツ万能で、高校の時は野球以外にもバスケットボールやアメリカンフットボールでも優秀な成績を収めていました。
高校3年時にサンフランシスコ・ジャイアンツから2位指名を受けるも、契約金に対して球団側と折り合いがつかずに、入団を拒否。大学の進学を選びますが、高校時代の実力をそのまま伸ばす形で輝かしい成績を残し、大学オールスターにも3年連続選出されました。
そして1985年、ドラフト1位で「ピッツバーグ・パイレーツ」に指名を受け、ついにプロの世界に乗り出すことになります。
しかしパイレーツに入団してから、持ち前のビッグマウスでチームメイトとは何度もトラブルを起こしてしまったとのこと。
入団時にはドアのノックもしないで監督室にいきなり入ってきて、監督に自己紹介をしたり、チームメイトのベテラン選手に対して軽口をたたくなど、行動も若い頃からビッグだったようですね。
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バリーボンズの成績
バリーボンズは多くの途轍もないメジャー記録を所持しています。
まず、なんと言ってもホームラン記録。
通算762本塁打、シーズン73本塁打
は、どちらもメジャー史上第一位の記録となっています。
それに加えて、ボンズは打撃だけの選手ではありません。
守備力も走力も本物なのです。
ゴールデングラブ賞は通算8回。
盗塁についても、通算で500個もしていて、史上唯一の500本塁打500盗塁を達成した選手でもあります。
まさに史上屈指、究極の5ツールプレイヤーと呼べるほどの異次元の能力を秘めた選手だったわけですね。
しかし実のところ、これでもまだバリーボンズの凄さの一部しか語ることができていません。
その理由は、彼の四球の多さにあります。
通算四球・敬遠四球は、それぞれ2558個・688個で史上最多。
もっとも多かった2004年に至っては、二種の四球を合わせて352個もの数字になっています。
なんと、打席数の約半分は四球になっているのです。
その理由は、バリーボンズが打ち過ぎるせいでピッチャーが勝負する意味を感じられなくなってしまったからです。
日本で断トツで通算四球の多い王貞治さんですらもっとも多かった年は200個程度(実際これも完全におかしい)ですから、その異常振りがわかります。
しかしこんな状態になってしまったら、もう野球が成立しなくなりますから、もちろんそうならないようにルールは作られています。
つまりバリーボンズは、異次元過ぎて既存ルールの枠では納まらなくなってしまった史上唯一の選手なのです。
ステロイド疑惑
しかしながら、そんな異常な実績を残したバリーボンズに、ステロイド疑惑が浮上します。
その理由は「パフォーマンスの劇的向上」と「体重の増加」でした。
プロ入り当時のバリーボンズの体重は84kgでしたが、ステロイド疑惑が疑われ始めた2000代から見る見るうちに体重が増えて行き、2007年には109kgまで増えています。
大リーグ記録であるシーズン73本を打ったのも37歳の時。
普通の選手は年齢を重ねる度に筋肉が落ちてくるので、パワーがなくなりホームランの数は減るのですが、バリーボンズは逆に年齢を重ねる度にホームランが増えていったのです。
2003年には「ステロイドは使ったがステロイドとは知らなかった」と意図的にステロイドを使った事を否認。
しかし、アメリカ連邦大陪審は2007年にバリーボンズのこの発言が嘘の証言であったとして「偽証罪」で起訴。2011年3月21日から本格的にバリーボンズの裁判が始まります。その結果、2011年4月13日に司法妨害罪が有罪となり、保護観察・自宅謹慎・4000ドルの罰金を科せられます。
ただこれについては、2015年に司法妨害罪を無罪判決され、無罪確定となりましたが、無罪になったからといって、彼のステロイド疑惑が払拭されたわけではありません。
というより、自分で
「ステロイドを使った」
と言っているのですから、もう完全にクロと見て良いでしょう。
ただ、当時はステロイドが全盛の時代であったので、バリーボンズ以外にもステロイドを使用していたとされる選手はたくさんいたはずです。
その中で彼ほど異次元の結果を出した選手は皆無なわけですから、ステロイドを使っていなくても、
彼の実力が本物中の本物であることに疑いの余地はありません。
それに、日本でも30代後半になってキャリアハイを叩き出したりする選手はいますし、肉体改造をすれば体重の変化もあるはずなので、別に薬に頼らなくても成績を一気に伸ばすことはできたのではないでしょうか。
まあそもそも、ステロイド前からops1(超一流打者の証)を毎年のように上回っていた時点で本物としか言いようがないんですけどね。
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バリーボンズとイチローの関係
バリーボンズとイチローには面識があります。
2016年にイチローの所属しているマーリンズで、バリーボンズが打撃コーチを担当したのです。
普段ビッグマウスのイチローもバリーボンズのことは認めていて、ステロイド関係なしに、バッティング技術そのものが本物であるという見方をしているようですね。
過去にはボンズのバッティングについて
「あれは打者としての完成系ですね」
と語っていました。
また、イチローがヒットを打つ度にボンズがわざわざその球を回収していたことに対して、
「これは記録と向き合った人にしかわからないことだと思う」
という発言もしています。
ただし、その後に
「まあ彼にはそれくらいしか仕事がないところもありますが」
と、オチを付けていたのもイチローらしいところです。
しかし結局、ボンズはその年のオフにコーチ解任されてしまったので、まあジョークがちょっと重いものになってしまいますが(笑)
【バリーボンズのバッティング動画】
・メジャーリーグ記録の73本を打った時
・日米野球での逆転満塁ホームラン
・わけのわからないホームラン集
まとめ
このように、バリーボンズは単純に凄い選手ではなく、色々と箔が付いています。
野球センスは抜群であるにも関わらず、ステロイドに手を出してしまったせいで、周りも彼のことをなかなか素直に応援できなくなってしまいました。
ですが、前にも述べたようにステロイドを使用したとはいえ、ここまで劇的に成績を伸ばす人はいません。それにファンではなくて選手の間では、やはり
「バリーボンズこそが史上最強の打者だ」
と主張する人は意外と多いのです。
そう考えると本当に不憫に思えてきますし、勿体ないなとも思いますね。
しかし、偽証罪が無罪になったことにより、バリーボンズのメジャーでの殿堂入りの可能性は出てきましたし、野球だけを見たら立派な選手には変わりはないので、今後どうなるかは注目です。