読売ジャイアンツに所属する菅野智之投手ですが、日本を代表する投手で実力は文句なしです。

しかしながら、彼には弱点があると言われています。

それは負け運。

というわけで、今回は菅野投手について負け運というテーマを中心に語っていきたいと思います。

 

菅野智之投手の実績

菅野投手は現在日本にいる選手の中でもナンバー1の呼び声も高く、事実として実績も他の投手と一線を画すほどに素晴らしいです。

どの数字を見ても素晴らしいのですが、ここではとにかく菅野投手がどれほど凄いのかを知ってもらいたいので投手としての最大の指標と言える防御率のみ取り上げます。

2013年 3.12
2014年 2.33
2015年 1.91
2016年 2.01

参考サイト:菅野智之wikipedia

防御率3点前後であれば、ローテーションピッチャーとして2番手、3番手、チームによってはエースとして立てられるレベルです。(ただし低反発球の時代等の例外はあります)

2点代中盤であればほぼエース当確の水準とも言えるのですが、菅野投手は1点代~2点代前半で安定しています。その素晴らしい数字も一年であれば記録する投手は少なくありませんが、それを三年続けることができた投手というのは球界史上でもかなり稀有になります。

ですから菅野投手がエースの中のエース、日本代表クラスの実力者であるのは紛れもない事実なのです。

 

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負け運が弱点とはどういうことか

が、菅野智之投手にはかなり重大な弱点と呼べるべき特徴があります。

直球の軽さ?

変化球のコントロール?

短気?ムラッ気がある?

・・・どれも違います。

それはなんと、負け運です。

 

え?負け運なんてオカルト的なものなんじゃないの?

ただの確率の偏りじゃないの?

と、信じていない人は少なくないでしょう。

実際、普通に考えて負け運が弱点なんていう投手はちょっと想像し難いのも事実です。

ですから、可哀想という声もかなり聞こえてくるのですが。

ところが現実問題として、彼の援護率と負ける確率は、彼の防御率からするとさすがに不自然な値となっているのです。

2015年:

10勝11敗

援護3.13(12球団ワースト3位)

2失点以上の成績が0勝11敗

2016年:

9勝6敗

2.92(12球団ワースト1位)

 

単純計算で、ローテーション投手は6人いますから12×6で72になります。

ですから一度援護率ワースト1位を記録するだけでも72分の1の確率になるわけです。

3位・1位となると、計算すると

72分の1×72分の3で1728分の1

になります。

宝くじに当たりそうなレベルの数字になっていますね。

巨人打線自体もともと打力が強くないというのもありますが、これを偶然として片付けるのは、さすがに無理があると思います。

さらに

2失点以上の成績が0勝11敗

というのは明らかに異常で、もう何かに憑かれていると考えても良いくらいです。

防御率1点代で負け越すという時点で異常過ぎるのですが。

 

改めてまとめると、この根本的な問題として挙げられるのは大きく二つになります。

  • 菅野投手が投げると、野手からの援護が極端に少ない。
  • 菅野投手が投げた後にリリーフの投手がひっくり返されて彼の勝ちの権利が消えてしまう、という展開が非常に多い。

これらの問題の原因について迫ってみましょう。

 

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援護率が低い、負け運が異常に強い根本的な理由

よく援護の少ない投手について言われることがあって、それは

投球リズムの悪さ

です。

投球リズムが悪いというのは、単純に間合いが長過ぎたりおかしかったりするだけではなくてフォアボールが多かったり、ボコボコ打たれたりして守備の時間が長いことを言います。こうなると野手はなかなかバッティングに集中できないので、そのような特徴のある投手は援護率が低くなると言われているのです。

しかしながら、菅野投手にはそのような特徴は全くありません。それどころか真逆で、

投球リズムも安定感も球界随一

と言っても過言ではありません。ということは、原因はそれ以外であると考えられるわけです。

 

投球リズム以外に援護率に影響を与えるのは、野手の投手に対しての意識になります。

実際、菅野投手に対して野手は、恐らくかなり意識している部分はあるだろうと思います。

それは以下のような流れがあるからです。

菅野投手がすごく良いピッチングをしている。

だから野手は自分たちが援護をしなければ、と考える。

しかしながら、援護というのは巡り合わせもあるのでなかなか一筋縄ではいきません。

結果的に援護が0~1点となり、菅野投手は1~2失点で負け投手になる。

すると、野手は菅野投手が素晴らしいピッチングをしたのに負け投手になってしまった、自分達のせいだと考えます。そして今度は絶対に勝たせなければと考えるでしょう。

しかしながら、また援護できず、菅野投手は好投したのに負け投手になってしまった。

となったら、どうでしょうか。

野手はさらに意識するようになりますよね。

さらにメディアもその事実を煽るので、さらに意識させられてしまいます。

こうして精神的に悪い循環に陥ってしまったのが、一つの大きな要因だろうと私は思います。

そしてこれはもちろん、野手のみならず投手にも影響を与えます。

ですから菅野投手が投げるときはリリーフの失敗率が高いのも、この悪い循環に飲み込まれてこれ以上迷惑を掛けたくない!という気持ちから来ているものだと私は解釈しています。

要は気負っているわけですね。

 

それ以外の理由としては、「何かこの人が投げているときは力が出し易い」とか本当にオカルト的な要素になってきますが、個人的にはそれもあるかも知れないな、とは思っています。

しかしそれよりも、むしろ他の選手のメンタル面のバランスによる原因の方が大きいとは思いますけどね。

 

メジャー級評価だが、メジャーで負け運は続くのか

菅野智之投手はもともとメジャーでそこまで注目されていたピッチャーではありませんでした。

もちろんマークはされていましたが、本人がその意志を表明していたわけではないですし、田中将大投手やダルビッシュ有投手のような派手な活躍があったわけではないからです。

それでも、先日WBCのアメリカ戦で素晴らしいピッチングをしたことでメジャーのスカウトからの評価が急上昇し、知名度を一気に上げる結果となりました。

もともと実力は文句なしの投手ですから、単純にあまり注目されていなかっただけで能力的には十分メジャー級であると思いますからね。

個人的には、恐らく前田健太投手よりも成績を残すと思います。

 

しかしながら、負け運についてはどうでしょうか。

これは私の予想ですが、メジャーではかなり負け運と援護率の低さは治ると思います。

というか一度軌道に乗れば、日本でも負け運はかなり解消されるのではないでしょうか。

とはいえ余程勝ちが続かない限りは他の選手の菅野投手に対しての意識が急激に変化することはないので、援護率が高い方になる可能性は低いと私は考えていますが。

 

それにしても菅野投手は本当に意志が強いですよね。たとえ良いピッチングが報われなくとも、そこで決して折れたり変な意識をすることなく自分のピッチングをすることができていますから、本当に恐れ入ります。

実際可哀想と同情する人も少なくないのも、菅野投手がどんなに援護がなくても、リリーフがひっくり返されて勝ちの権利を消されても絶対に挫けないのが健気に見えるから、というのもあるのではないでしょうか。彼のこの強靭な意志があれば、間違いなくメジャーでも一流の投手として活躍できると私は思います。