ソフトバンクホークスに所属する松坂大輔投手ですが、現在はなかなか活躍ができていないにも関わらず、その注目度はプロ野球界でも非常に高いものとなっています。

その理由については、過去の栄光と契約金額が背景にあり、その上で引退が仄めかされていることであるのは明らかです。

ここでは、あまり主に松坂投手について詳しくない人に向けて、彼のこれまでの野球の歩みと現在、不良債権と囁かれている理由や引退の可能性について取り上げていきます。

 

松坂大輔投手の簡単なプロフィールと過去の歩み

松坂大輔投手は1980年生まれの37歳で、身長183cm、体重93kgの右投げ右打ち。

奥さんは元日本テレビアナウンサーの柴田倫世さん。

2人の間には、2人の娘さんに1人の息子さん、計3人のお子さんがいらっしゃいます。

松坂大輔投手の出生地は青森県ですが、育ったのは東京都です。横浜高校のインパクトが凄いので神奈川県育ちだと思いがちですが、意外や意外、東京出身なのです。

ちなみに彼の「大輔」という名前は元プロ野球選手の「荒木大輔」から取ったようです。当時の荒木大輔は甘いマスクで甲子園を沸かせました。その影響か、子供に「大輔」と名付ける親が多かったそうです。松坂もその一人ですね。

5歳から小学校3年生の頃までは野球では無く剣道に勤しんでいました。小学校3年生から少年野球チーム、中学ではリトルリーグチームに入り本格的に野球に携わることとなります。

高校には神奈川県の名門「横浜高校」に入部。初めの頃は練習が嫌いで練習をサボってばかりだったらしいのですが、2年生の神奈川大会決勝でサヨナラ暴投をしてしまい、これを機に「サボリのまつ」を卒業することになりました。

 

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高校時代~プロ入り後の栄光

松坂大輔の過去の栄光はとても輝かしい物でした。ここでは詳しく彼の過去の栄光をご紹介します。

 

横浜高校時代の活躍

松坂大輔の凄さが世に知れ渡ったのは、1998年に行われた「第70回選抜高等学校野球大会」での優勝。そして同年の夏の「第80回全国高等学校野球選手権大会」での優勝です。

横浜高校の本格派エースとして、150km超えるストレートとスライダーを織り交ぜて快投を続け、横浜高校は甲子園春夏連覇を果たします。

しかも、夏の甲子園の決勝だった京都成章戦ではなんとノーヒットノーランを達成。

この神懸かり的な活躍から、松坂投手は自然と「平成の怪物」と呼ばれるようになります。

 

そしてドラフトでは、横浜ベイスターズ・西武ライオンズ・日本ハムファイターズが1位指名。

抽選の結果、西武ライオンズが交渉権を得ることとなりましたが、松坂大輔の本命は地元の横浜ベイスターズだったため、初めのうちはあまり乗り気ではありませんでした。

それでも当時西武の監督であった東尾修氏が説得し、そのまま西武入団を決断することとなります。

 

西武ライオンズ時代の成績と活躍

西武ライオンズに入ってからは、ルーキーイヤーから怪物ぶりを存分に発揮します。

プロ初先発の試合では、いきなり155km*を記録。試合にも勝利して鮮烈なデビューを果たしました。

※ちなみに、今でこそ155kmと言えばそれほど珍しくはありませんが、当時は最速記録が故伊良部秀樹氏の158kmであり、全体から見ても凄い記録でした。しかもそれを高卒ルーキーが記録したということで、報道はますます加熱することになります。

また、オリックス戦ではイチローとの対決が話題に。初対戦ではなんと3打席連続で三振を奪い、これまたそのスター性を見せ付ける形となりました。ただし、その後は普通に打たれていましたが(笑)

オールスターでも高卒史上最多の5奪三振を記録し「優秀選手賞」「オールスター新人賞」を受賞。

結果的にルーキーイヤーで「16勝5敗」「防御率2.60」という文句の付けようのない成績を残し「新人王」「最多勝利」「ベストナイン」「ゴールデングラブ賞」のタイトルを獲得。

2年目も2桁勝利。3年目では投手の最高位のタイトルの「沢村賞」を獲得。

西武ライオンズには8年間在籍して、8シーズンの内7シーズン10勝以上をし、通算防御率は2.96

さらには2006年のWBCでもMVPを獲得する活躍で日本優勝に大きく貢献し、名実共に当時の日本球界ナンバー1投手として君臨します。

そして日本でやることがほとんどなくなった松坂投手は、2006年のシーズンオフにポスティングシステムを使い「ボストン・レッドソックス」への移籍を発表しました。

※こちらは155kmを出したプロデビュー戦の動画です。対片岡選手の打席で三振を奪った球になります。

 

こちらは現在日本球界において最高の投手の一人と言っても良いであろう菅野投手についてです。

菅野智之はメジャー級評価でも負け運が弱点で可哀想?理由は

 

ボストン・レッドソックス時代の成績と活躍

2007年から、舞台をメジャーに移します。

メジャー初先発の試合では7回6安打1失点10三振で初勝利をしました。

メジャーのルーキーイヤーではイチロー、松井秀喜とも対戦をし、イチローとの対戦では「4打数無安打」松井秀喜との対戦では「2打数無安打」の成績を収めました。

ルーキーイヤーのこの年、松坂は日本人史上初・メジャー5人目の「15勝と200奪三振」を達成しレッドソックスを地区優勝に導きました。

結果的に「15勝12敗」「防御率4,40」という成績を残しメジャー1年目を終えました。

メジャー2年目では5月にケガをするも6月に復帰。前半戦で10勝をし最終的に「18勝3敗」「防御率2.90」の成績。

2009年のWBCでもエースとして活躍し、何と二大会連続のMVPを獲得します。

 

しかしこのWBCでの活躍を境に、松坂投手は急激にその光を失うこととなります。

メジャーで良かったのはこの2年だけ。それ以降はケガや不調に悩まされ、2013年にインディアンズとマイナー契約、同年8月にメッツとメジャー契約、2014年にはメッツとマイナー契約、といった具合にメジャーで投げさせてもらうのがやっとの状況となってしまいます。

その結果、当然ながら年俸もどんどん下がっていくことに。

そんな中、2014年のシーズンオフ、日本に大変魅力的なオファーを出す球団が現れます。それが、「福岡ソフトバンクホークス」です。

なんと3年12億という、当時の松坂投手の状況からしてみたら、願ってもない条件を提示したのです。

 

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現在の松坂大輔の状態

この松坂投手への12億円もの投資による獲得に対して

「今の松坂にそんな価値はないだろう」

「ソフトバンクは正気か?」

「まあ金持ち球団だからな。」

 

といった具合に、疑問視したり、あるいは揶揄したりする声が多く飛び交います。

 

では、実際のところどうなったか。

ソフトバンクホークスに復帰後の2015~2017年の3年間の内、1軍登板は僅か1試合。しかもその試合での成績は1回被安打3、与四死球4、暴投1で5失点と散々な結果でした。

3年間で1試合しか登板していないで、しかも登板した試合で大炎上。

これが、12億支払った結果です。

額とその活躍だけでみれば、日本プロ野球史上最大の不良債権であるのは間違いないでしょう。

外国人選手を含んでも、ほぼないレベルです。

つまり、誰も文句の付けようのないほどの正真正銘の不良債権なのです。

 

ただし、これはもちろん結果論ではあります。

たとえメジャーで数年間パッとせず燻っていても、日本に復帰したら調子を取り戻して活躍し出す選手はたくさんいます。

確かに松坂投手も怪我持ちだったとはいえ、メジャーの球の負担が大き過ぎただけの可能性もありましたし、復活することも十分に考えられたのです。

ですが、その期待は見事に外れてしまった。

ただその額が12億円なので、さすがにソフトバンクもここまで外してしまうと、球団経営者としてのメンツにも関わってきます。

特に松坂投手獲得に携わった関係者達は、このまま終わったらさすがに何らかの責任を負わされるのではないでしょうか。

 

それもあって、松坂投手に対し、ソフトバンクがもう一年延長して契約するのではないかという情報があります。やはり、ここまで来たら退くに退けないのです。

たとえ仮に今のまま一軍で全く活躍することなく松坂投手が引退を決意しても、一応ギリギリでメンツを保つことはできるでしょう。ですが、もしその前に放出してしまい、松坂投手が他所の球団に行って活躍でもしたら目も当てられません。

まだ37歳ですから、その可能性もないとは言い切れませんからね。現に、今年のオープン戦では7回まで無安打ピッチングをして、一時的に完全復活を予感させたりもしました。肩さえ戻れば、間違いなく戦力になるでしょう。

ですから、ソフトバンクとしては軽々しく手放すことができない物件となってしまっています。

ここまで来ると、半分呪いの物件と言っても良いかも知れませんが(笑)

 

ただ、正直なところこの時点ではまだ松坂投手がまさか現在のようなことになるとは誰もわからないので、一つの意見にか過ぎないのかな、とは思いますが。

 

引退せず契約延長?

前述のように松坂投手は、今年2017年でソフトバンクホークスとの3年契約は終わります。

ですがソフトバンクは恐らく松坂投手を解雇しません。

それは先に述べた理由もありますが、それに加えてソフトバンクはもともとこれまでの主力選手に対しても花道を用意してあげたいという姿勢を見せてきたことがあります。松中信彦氏、斉藤和巳氏等

ですから、本人が望めば当球団で現役続行という形になるでしょう。

 

その場合は間違いなく大幅減俸になるでしょうが、契約金額は関係ないと思います。さすがに今まで何もやっていないのに12億も貰っているのは、後ろめたさがあるでしょうからね(笑)

となると、松坂投手本人にはその意志はあるのでしょうか。

実は、本人は明確に現役続行の意思を語っています。

「(現役を)続けるつもりがなければリハビリをしていない。僕としてはもう一度、マウンドに立ちたい」引用元:2017年9月27日スポーツ報知記事より

と同時に、「以前より調子は良くなってきた」とも。

 

こうなると、期待したくなる気持ちはありますね。

本人は至って前向きなので、こうなったら球団側も心中する覚悟をし易いと思います。

そして一度復活できれば、松坂投手の実力であればあと数年やれそうな気がします。

そうなれば40歳を越えても現役、という可能性もなくはないのではないかと思います。