TTPによって日本の経済が
大きく変わると言われていますが、
ここでは、主に農業に対して与えることが
考えられる影響についてを取り上げていきます。

 

TPPの簡単な意味

まず、TPPとは何かを簡単に説明しておきます。

TPPの目的は自由貿易の促進です。

貿易、つまり国と国の商取引というのは
決してフェアではありません。

自国の産業を守るために
他国から輸入される商品に対して関税を掛けているのです。

たとえば、50%の関税であれば
本来価格の150%、つまり自国では
1.5倍で販売されることになります。

それをそれぞれの国がやっているので、
基本的には貿易はフェアではないのです。
(もちろんやり過ぎると国際的な批判を買うので駆け引きはありますが)

そこでTPP協定を結ぶことで、
参加国の間だけでもフェアな取引、
つまり自由貿易を約束しよう、ということなのです。

ただ当然ながら、これまで
自由貿易によって
掛けていた関税を撤廃すれば、
輸入製品は一気に安くなるので
自国の産業は激しい競争に晒されます。

しかし逆に言えば、
相手国も関税を撤廃するので
自国産業が入り込む隙間ができるとも言えます。

これらはTPPにおける基本的なメリットとデメリットになります。

そして参加各国は、こういった自由競争の中で
お互いが切磋琢磨し合うことによる
参加国全体の経済の向上を期待しているのです。

 

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TPPが日本の農業に与える影響(問題点)

農業はTPPの悪い方の影響が
強く懸念されている分野の一つです。

まず、日本の農産物というのは、
他国の農産物と比較すると
価格がかなり高いのです。

米、果物、野菜、どれを取ってもです。

品目にも依りますが、
国際的な標準価格と比較すると、
普通に倍以上したりします。

しかし現在は、海外製品に対して
平均して十数パーセントの関税を
掛けているので、それほど
日本製品との価格が開くことなく、
市場で一応のバランスが取れているのです。

流れとしては、これを徐々に撤廃していこう、
となっています。

もちろんこれは長い年月を掛けてですし、
品目によっては撤廃ではなく
ある程度のところまで、
という話で進んではいるのですが、
いずれにしても海外製品が安くなるわけで、
そうなると日本製品も安くしないと
対抗できないのではないか、というわけです。

ただそれに対して、TPPそのもののメリットである
「でもお互いに関税が撤廃されて
日本製品も海外で安くなるんだから、
日本は日本で海外にどんどん売っていけば良いじゃないか」
という視点が当然ありますよね。

 

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世界の農業VS日本の農業

日本の農産物は価格で
勝負することはできませんから、
別の切り口で勝負をするしかありません。

その一番初めに来るのは、味であり品質でしょう。

正直なところ、個人的には
海外の農産物はあまり信用できませんし、
ある程度価格が開いても日本産の方を選びます。

実際、そういう人は決して少なくないとは思います。

ただ、海外農産物の値段が
今よりもかなり下がったら
いくら味や品質が良くても国内農産物ではなく
そっちを選ぶ人が増えるわけなので、
その際に国内農産物の価格が下がってしまうのは
必然と言えるかも知れません。

 

では、国外に対してはどうでしょうか。

他国の人々が二~三倍以上もする
日本の農産物を、味や品質が良いとして
好んで買ってくれる可能性はあるのか。

可能性としてはありますが、
直面するであろう問題はいくつも想定できます。

主だったものを二つほど挙げれば、

  • ある程度以上経済力のある国や人に限定されてしまうこと
  • 輸出するに当たって鮮度が落ちてしまうこと

等です。

どちらも致命的な問題である
と捉えることができます。

 

最後に

どうでしょうか。

少なくとも今のまま行ったら
厳しいように感じられますよね。

TPP条項の締結に当たって、
日本の農業は進化せざるを得ないように思えます。

そうしなければ、恐らく利益は減少し
衰退してしまうでしょう。

しかしながら、この逆境を逆にチャンスと捉え、
国や農業従事者、そして大手企業が
一丸となって取り組みをしていけば
むしろ大きく成長する可能性(進化)も十分にある。

と私は考えています。