ストレスには様々な形がありますが、
大きな枠組みでは

負の感情が元で作られる毒素のような何か

という捉え方ができます。

この意味を理解するために、
ストレスが脳や身体に及ぼす症状と
その特徴を取り上げていきたいと思います。

 

脳に現れる症状

ストレスは一定以上溜まることによって、
脳と身体の両方に対して悪影響を与えます。

まずは、脳の方から挙げていきましょう。

 

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脳に現れる症状1―思考

脳とは、一つに思考のことです。

よくストレスが溜まっている人は

「気持ちに余裕がない」

と表現されますね。

気持ちに余裕がないと、
冷静であったり、客観的であったり、
柔軟であったりという思考をすることができません。

偏った思考になってしまいます。

何故なら、気持ちに余裕がないということは、
自分にとって都合の悪い現実と向き合う余裕がない
ということだからです。

自分にとって都合の悪い現実と向き合うことって、
誰でもしんどいと思いますよね。

たとえば自分を嫌っている人がいるとか、
バカにしている人がいるとか。

実は才能がないかも知れないとか、
深刻な病気を抱えているかも知れないとか。

自分の知らないところで
面倒な問題が起こっているかも知れないとか。

適当に例に挙げましたが、
別に何でもありますね。

心に余裕がない人の場合、
こういったことを一度考え出すと
完全にネガティブな気持ちになってしまって、
その感情に飲み込まれてしまいます。

そうすると、被害妄想が激しくなって
現実以上に物事を悪く見るようになります。

逆にネガティブな感情に飲まれるのを恐れて
都合の悪い現実と全く向き合おうとしなければ、
ただのノー天気な人になります。

つまり、現実以上に物事を良く見るようになるのです。

こういうのは、ポジティブとは言いません。

要するに、心に余裕がないと、
どうしても偏った物の見方になってしまうということです。

 

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脳に現れる症状2―感情

ストレスが溜まっていると気分が悪いです。

しかしその気分の悪さは、
何かで吐き出すことができます。

ストレスの発散方法には色々あります。

趣味に没頭することであったり

運動をすることであったり

アルコール飲料を飲むことであったり

友人と駄弁ることであったり

ここに挙げたのは、
比較的健全なストレス発散法です。

しかしながら、これらとは別の、
不健全なストレス発散法もあります。

それは一言で言えば

人を精神的に傷付ける

ことです。

人間というのは他者を精神的に傷付けると、
自分のストレスが発散される仕組みなっています。

これは何故そうなるかというと、
誰かが傷付くことによって
自分の仲間が増えるからです。

わかり易い言葉で言えば、不幸仲間です。

「人の不幸は蜜の味」

という言葉がありますが、
これも同じ理屈です。

自分と同じ辛い気持ちの人がいると思ったら、
やはり安心してしまうところがあるのではないでしょうか。

結局、虐めの心理というのも
まさにここにあるのです。

また、それは直接的に相手を肉体的、
精神的に痛め付けることだけではなくて
「愚痴を言う」という行為も当て嵌まります。

相手が嫌な気分になりさえすれば良いのですから。

参考関連:DV加害者の性格的な特徴と心理。原因は共依存か

 

身体に現れる症状

ストレスは、身体にも悪影響を与えます。

実際、ストレスを溜めている人と
そうでない人とでは、病気になる可能性が全く違います。

何故なら、ストレスによって
身体全体の免疫力が低下してしまうからです。

わかり易く言えば、ストレスは

人体におけるあらゆる機能の低下

を招くのです。

例えば、胃や腸の機能が低下すれば、
消化が悪くなって腹痛を起こしたりします。

当然ながら新陳代謝も悪くなるので、
それはそのまま免疫力の低下に繋がります。

血流も悪くなるので、頭痛も引き起こします。

「ストレスを発散しないと身体に毒だよ」
とよく言いますが、まさにそうなのです。

 

最後に

ここまでの話で、ストレスの正体が
かなり見えてきたのではないでしょうか。

私が冒頭で出した言葉を思い出してください。

負の感情が元で作られる毒素のような何か

自分の身体の中に溜め込めば病気になるし、
かといって吐き出せば周りが嫌な気分になるのです。

ですから、文句の一つも言わず、
人に対してはいつも優しい人格者であったとしても、
その人が無理をして自分を演じていたら、
それは大きなストレスとなります。

その結果、思考は鈍るし
あるいは病気になってしまうのです。

 

となると、基本的にストレスを
溜めること自体が問題である、
ということになりますが、
ここで、非常に重要な点があります。

それは、ストレス自体は必ずしも悪ではなく、
頑張りの原動力になるということです。

実際の毒も過度の量だから
身体に害を及ぼすわけで、
適量であればむしろ身体を強くします。

これと全く同じことが、ストレスにも言えるのです。

問題はあくまで、過度のストレスが掛かることです。

過度のストレスになると、
自分だけでは処理し切れなくなるため、
他人に対してストレスを擦り付けるような行為(虐め等)
でしか解消できなくなってしまいます。

ここは最大限注意しなければなりません。

何にしても、自分を客観的に見る
ということが重要にはなってきますね。

もちろん簡単にできることではありませんが、
そのように努めることがまず第一歩だと思います。