DVとはドメスティックバイオレンスの略で
家庭内暴力のことですが、何が人を
暴力に走らせているのでしょうか。

ここでは人間心理という側面から取り上げてみます。

 

DV加害者の性格的な特徴

一般的にDV加害者というのは
攻撃的な人物像が想像されますが、
実際はそうとも限りません。

普段は引っ込み思案で大人しく、
人に対して手を上げることもなく、
喧嘩もしないような人であっても
DV加害者になる可能性があります。

普段から大人しい人というのは、
多くの場合は自分を抑え込んでいます。

消極的だから物が言いたくても言えない、
力が弱いから手が出したくても出せないのです。

つまり、逆に言えば
物を言える相手がいればしつこく非難するし、
もっと力が弱い相手に対しては
手を出すということです。

要するに、自分よりも弱い存在に対してはDV加害者になるのです。

ですから問題は、そもそも内に秘める
非常に強い支配欲があるかどうかになります。

そうなると、表向きだけでその人物がDVタイプか
そうでないかを判断するのはかなり難しいと言えます。

増してや、行動パターンから判断するなど
ほぼ不可能でしょう(傾向ならあるでしょうが)。

実は心の中に相手に危害を加えたい
という欲求を抱いているかも知れませんからね。

 

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DVの目的と加害者の心理

そもそも、何がDV加害者をDVに駆り立てているのか。

それはストレス発散以外の何者でもありません。

つまり、ストレスが溜まっているから、
そのはけ口としてのDV行為なのです。

DVという行為は相手に与える
精神的なダメージが尋常ではありません。

ストレスというのは、相手に与える
精神的なダメージが大きければ大きいほど
その分発散ができます。

ですから、DVの味を一度しめてしまうと
習慣化してしまうのはそのためです。

ちなみに、これは会社でのパワハラでも言えることです。

たとえば社員に対してボロクソ言うことで
言われた方は大きな精神的ダメージを受けますから、
その分ストレスが発散できるのです。

 

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DVの成立条件―共依存状態とは

DVは、もちろん加害者だけでは成立しません。

被害者もいて、初めて成立するのです。

まず加害者に関しては、
上でも言及していますが
性格はあまり関係ありません。

ただし共通して言えることがあって、
それは大きなストレスを抱えていることです。

DV行為なんて明らかに程度の低い行為ですし、
普通はしたくないと思っています。
(ただし支配欲が強過ぎる場合は除きます)

ほとんどの場合はストレスがなければ、
わざわざDVをすることはないのです。

 

一方で被害者、
つまりDVの対象となる人物には、
大きな二つの根本的特徴があります。

加害者よりも劣っている

DVの対象となるのは、
加害者よりも肉体的、立場的、
あるいは精神的に劣っている人物です。

どれも劣っていれば、
格好のターゲットとなります。

また、劣っていれば劣っているほど
ターゲットにされ易いです。

弱い方が反撃に合う可能性が小さくなるからです。

反撃されたらそれは逆にストレスになりますからね。

基本DVをする人は精神が非常に低いので、
多くはリスクがあると感じたらやめます。

もちろん、中には振り切った人もいるので
その場合は何をするかわからないところもあるのですが。

 

自己評価が低い

自分に対して自信がない人というのは
自己評価が低くなります。

そういう人は得てして、DVをされた際に
自分は人の役に立っていると考えてしまうところがあります。

たとえそれがストレス発散目的だとわかっていても、
自分を利用して発散しているのであれば
それは自分が加害者の役に立っている、
という理屈です。

しかしそれを深層心理的に考えているので、
無自覚的であったりします。

ですから、実際DVがあるのに
別れない夫婦というのは
よく共依存状態であると言われますが、
それは決して間違いではないのです。

 

ちなみに、表向きの性格では
その人がDVタイプか判断するのは難しい
と言いましたが、傾向としてであれば、
やはり普段から気が強く、引っ張っていくような
男性的な人の方がDVを起こす可能性が高いです。

これは男性的な性格の人の方が
肉体的・精神的に強い人が多い、
つまり自分よりも劣っている人がその分多くなる。

対象の幅が広がることになるからです。

ただし、社会的に高い地位にある人は
それを失うリスクを恐れることから、
DVは極力避けたいと思う傾向にあります。

 

ストレスを溜めていてもDVをしない人

たとえ大きなストレスを溜めていたとしてもDVをしない人もいます。

それを人格者だと思う人も
いるかも知れませんが、
そう捉えるのは正しくありません。

その理由を説明するためには、
そもそもストレスとは何か
というところからお話しする必要があります。

参考関連:ストレスの正体は毒素。脳や身体に現れる症状と特徴とは

 

結局、DVに駆り立てられるほどの
ストレスを溜めていたら、DVをしなかったとしても
それ以外のストレス発散行為に出るだけです。

それは完全に相手が嫌がる行為なので、
何の問題の解決にもなりません。

相手に精神的なダメージを与えて、
初めてストレスの発散になるわけですからね。