現在、消費税の軽減税率を巡って様々な議論が行われています。

ここでは軽減税率とは何か、
そしてどのようなメリットとデメリット、
賛成・反対意見があるのかを取り上げていきたいと思います。

 

軽減税率とは

軽減税率とは、特定の品目の税額を下げる制度です。

たとえば消費税が10%で、
食料品を特定の品目とした場合
食料品の税率を7、8%と定めることがそれに当たります。

これまでは細かい品目に適用されていたのですが、
今話題になっているのは、消費税増税に伴って崩れる
国民の生活バランスを調整することを目的としての軽減税率の適用です。

軽減税率が消費税に直接掛かるために、
消費税がそのまま減らされる、と考えたら良いと思います。

なぜこのような制度が提案されているかというと、
消費税を上げることによる負担は
高所得者よりも低所得者の方が実質的に大きくなるからです。

これは単純に考えるとわかりますが、
増税が行われた場合、もともとカツカツで
生活していた人の方が余裕のある生活を
送っていた人よりも大きな問題になってきますよね。

つまり食料品等の生活必需品の品目の税率を
軽減することはその増税による負担を
平等にするための一つの手段なのです。

 

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軽減税率の賛否

軽減税率の導入について、今のところは
賛成派と反対派が綺麗に分かれているようです。

では、それぞれの立場の人たちは
どのような理由に基いているのでしょうか。

 

賛成の理由(メリット)

まず賛成の人の多数派の意見は非常にわかり易いです。

これは単純に消費税によって
増える負担が少しでも軽くなるなら有難い。

ないよりあった方がまし。

まあそりゃそうですよね(笑)

至ってシンプルではありますが、
至極当然と言えば当然の意見だと思います。

そして、非常に有力です。

別に低所得者に限らず、高所得者であっても
負担であることには違いありませんからね。

 

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反対の意見(デメリット)

しかしながらそれに対して、
普通に反対をしている人がいます。

反対をするのは高所得者や
国全体のことをよく考えている人なのか
と思いきや、明らかに恩恵を授かりそうな層の人達の中にもいます。

それだけ、潜在的な問題をはらんでいるのです。

まず第一に、軽減税率を導入するということは、
シンプルに誰かの負担が増えるということです。

消費税とは別に管理する必要が出てきます。

たとえば、消費税率が無条件に減らされれば
消費者サイドとしては万々歳ですが、
生産者サイドであったり、あるいは公務員であったりの仕事が増えます。

実際、ヨーロッパではすでに
消費税の軽減税率が導入されている国があるのですが、
明らかに大きなコストが掛かっていると言われています。

ただしそれらの国々では
消費税が30%以上もあったりするため、
その余分なコストを差し引いても
メリットの方が大きいと考えられているようです。

 

しかし今日本で計画されているのは
消費税10%を2、3%軽減する程度なので
果たしてその手間とコストの分だけの
効果があるのかどうかはかなり疑問の声が大きいのです。

それに対して、
消費者サイドが軽減税率対象品目を
購入した際にマイナンバーカードを使用することで
その軽減税額を記録して、年末調整などで
払い戻しというやり方が考えられています。

そうするとかなり面倒な感じになってきますよね。

通常の買い物の際にもひと手間増えるわけですし。

また、今回計画されている
消費税の軽減税率が適用されることによって
マイナスとなる税収は1兆円ともいわれています。

このマイナス分をどう補てんするか、
そのやり方次第ではまた何らかの形で
低所得者にとって負担として圧し掛かってくる可能性はあります。

 

最後に一言

手間やコストは掛かるし税収入は減るしと
深く考えていくとデメリットが目立ってきますね。

ついつい「税金負担が減るなら良いじゃん!」
と短絡的に考えてしまいがちですが、
その仕組みの実態を最低限理解した上で
賛成か反対か、自分の立場を決めなければなりません。