2016年のオリンピック開催国である
ブラジルですが、そのブラジルの
現在の経済情勢はあまり芳しくありません。
今回は、ブラジルの懸念されている現状を取り上げます。
ブラジルの経済
ブラジルという国は2000年以降の世界において
高度成長が期待できそうな国々の総称である
BRICsの中に含まれています。
それぞれ
ブラジル(B)、ロシア(R)、インド(I)、
中国(C)、南アフリカ(S)
となっています。
中国とロシアはすでに大国ですし、
それ以外の国々もポテンシャル十分といった印象ですね。
この中に含まれている時点で、
ブラジルという国に対しての注目度が
どれほど高かったかがわかると思います。
実際、ブラジルはもう新興国ではなく
先進国と言っても良い立場にあります。
2015年のGDPは世界第7位となっていて、
2006年以降はずっとトップ10入りしているほどです。
参考サイト:世界経済のネタ帳
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近年の悪い兆し
であれば、一見すると
順調に来ているように思えますが、
実際はそうでもありません。
特に近年はあまり状況が良くないのです。
昨年(2015年)のGDP成長率は-3.8%
2016年についても大方の予想では
3%以上のマイナス成長となっています。
今年はリオデジャネイロで
オリンピックが開催されるのにも関わらず、です。
もしこれが実現したら
二年連続の大幅な落ち込みであり、
深刻な景気減退として捉えられることになります。
2014年はワールドカップが
開催されたこともありますし、
実質的には三年連続なのではないか
とも考えられますね。
そうなると、当然ながら
ブラジルの通貨であるレアルや
国債の信用も下落の一途で、
価値が大変下がってしまっています。
レアルに関しては2015年9月に
1994年以来の最安値を更新し、
国債に関してはジャンク債と呼ばれる
ハイリスクハイリターンの債券と
同じ扱いをされているのが現状です。
その大きな原因の一つとなっているのは、
中国に対しての輸出依存です。
ブラジルは個性のないコモディティー商品を
安く大量に生産して中国に販売して
大きな利益を上げていたのですが、
中国経済が明らかな減速の兆しを見せたために
その影響をモロに受ける形になってしまったのです。
参考関連:中国人による爆買いの経済効果等メリットとデメリット
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デフォルトの可能性
このような状況になると、
デフォルトを懸念する声すら浮上してきます。
実はブラジルは1990年に620億ドルという、
当時史上最大規模のデフォルトを経験しています。
そのときはブラジルの信用は地に落ち、
国債や貨幣価値が全くなくなってしまいました。
その結果、国内ではハイパーインフレがおき、
商品の価格が30倍にもなったのですが
このような事態が再び起こる可能性が
本当にあるのでしょうか。
現在、ブラジルは当時よりも
遥かに豊かな国になっていますし
ここまで極端なことにはならないでしょうが、
それでもデフォルトがあり得ないとは言い切れません。
それに当時よりも豊かな国に
なっているということは、
その分世界に対しての影響力も
大きくなっているということになるので、
日本も他人事とは言っていられないのです。
参考関連:デフォルト(債務不履行)で損害賠償?危うい国はアルゼンチンやアメリカ等多数
治安はどうか
さて、そんな混沌とした状況の中で
オリンピックが開催されるわけですが、
果たして治安はどうなのでしょうか。
まず、ブラジルの治安は
もともと悪いと言われています。
特にブラジルのスラム街である
ファベーラという場所に足を踏み入れたら
高確率で犯罪に巻き込まれるようです。
ですから、必ずどこにファベーラがあるのか
ということを前以って把握しておく必要があります。
ただし逆に言えば、
ファベーラにさえ足を踏み入れなければ
危険は大概回避できるということも言えます。
そういう意味では、アメリカに近いかも知れませんね。
それでも日本人は金を持ってそう
ということで強盗から狙われ易いので、
最悪取られても良いように
財布を二つ以上に分けて所持しておく、
大事なものはなるべく入れず額も
必要最小限に留めておくのは必須だと思います。
しかしもともと景気が悪いのですから、
国の状態が良くなければさらに悪くなるのは当然の流れです。
それを考えるとオリンピックで現地訪問するのも
少し気が退けるところもあるかも知れませんけどね。