最近、ジカ熱というウイルス性の病気が
世界的に流行していますが、
今年のオリンピック開催地である
ブラジルも例外ではありません。

今回はジカ熱問題を取り上げてみたいと思います。

 

ジカ熱とは

ジカ熱の原因となるウイルスである
ジカウイルスは蚊によって媒介され、
媒介者である蚊に刺されることが主な感染源です。

症状は数日から1週間程度の
潜伏期間を経て現れ始めます。

症状の内容は軽度の発熱、筋肉痛、関節痛
皮膚に斑点が浮き出る等がみられますが、
ほとんどの場合それほど深刻になることもなく、
ジカ熱が直接的な原因で命を失った例は
過去に報告されていないようです。

ところが、WHO(世界保健機関)
はこのジカ熱に対して

「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」

を宣言しました。

その理由は、

・身体に麻痺症状を引き起こすギラン・バレー症候群

・脳や頭蓋骨が十分に成長しない小頭症

の原因となる可能性を指摘されているからです。

まだ因果関係が証明されたわけではないのですが、
それでも可能性が考えられる以上は
事実の究明を急ぐ必要があります。

しかもウイルスが現在世界中に
広まってきているわけですから、
WHOはこの事態を非常に深刻なものとして捉えたのです。

 

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その他の感染ルートと小頭症との関係

ただこのうち小頭症については
すでに成長しきった大人は関係がなく、
胎児・幼児といった頭部がまだ
発達段階にある場合において
引き起こされる可能性があるのですが、
ウイルスを所有する蚊に刺されることが
唯一の感染源であるならば、胎児に関しては
心配する必要がないことになります。

しかしながら、
ジカウイルスの感染ルートは蚊だけではなく、

母子感染

性的接触からの感染

もあり得るのではないかとされているのです。

つまり、妊婦が感染することで
それが胎児に感染して小頭症になる
ということです。

あくまで現状としては可能性に過ぎないのですが、
これらに全て明確な因果関係が存在するとしたら、
そのときは明らかな問題として捉える必要がでてきます。

WTOやブラジル保健省は過去の事例から
関連性を危惧していますから、
信憑性は高いのかも知れません。

真実味がある以上、妊婦さんは
絶対に感染する可能性のある地には
足を踏み入れないようにした方が良いでしょう。

 

日本に伝染する可能性

ジカ熱の日本の感染者はこれまでに4例あり、
初めて報告されたのは2014年で
最近だと2016年の2月になります。

まだ数えるほどしか例がないのですが、
今年はジカ熱の主要な感染国の一つである
ブラジルでオリンピックが開催されます。

そのためウイルスが世界中に
広まってしまうのではないか、
日本でも流行してしまうのではないか
という懸念がされているのです。

しかしこれに対して、それは
あまり心配する必要はないのではないか
という声もあります。

これはオリンピックが開催される
8月はブラジルにしてみたら冬なので
蚊が活発ではないという理由からです。

ただオリンピックの開催地である
リオデジャネイロは冬でも平均気温20℃以上になります。

主な媒介者であるネッタイシマカ
27-30℃が一番活発な気温であるために、
一歩間違えばもっとも活発な活動をする
タイミングになり兼ねないということです。

つまりこの理由はあまり参考には
しない方が良いということですね(笑)

そういうわけで、
今年開かれるオリンピックでは
このジカ熱が非常に問題視されていて、
対策が急がれているのです。

参考関連:ブラジル経済がオリンピックあるのにデフォルト危機?治安はどうなのか

 

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予防・対策は正攻法のみ

ジカ熱自体は前述のように
これまで犠牲者が報告されていない程度の
それほど重くないウイルスということもあって
ほとんど自然治癒によって治すことができます。

ですからそれ用のワクチン等は
存在しないのですが、どのような
潜在的リスクが存在するかが
定かになっていないわけですから、
極力感染しないようにするべきでしょう。

個人の対策として一番良いのは
ジカ熱が流行っている場所には足を踏み入れないことです。

今のところ日本では流行していないので
感染することはないと考えて良いですから。

それでも、もし事情があって
ジカ熱流行国に訪問しなければならないとか
訪問してみたいということであれば、
非常に単純な対策が功を奏すはずです。

ほぼ100%の感染源が蚊の吸血ならば、
蚊に吸われないようにしたら良いのです。

全身に蚊除けのスプレーを掛けて
さらに地肌を隠していればほとんど問題ないでしょう。

また、自分の生活する部屋には
蚊取り線香を焚いておくことも忘れずに。

結局当たり前の正攻法しかないのですが、
これで十分に対策になると思います。

 

国の対策

一方で国の対策はというと、
ジカ熱を「4類感染症」に指定し、
医師がジカ熱の患者を発見した場合は
必ず即座に保健所へ報告しなければならない
としました。

この「4類感染症」には通常
デング熱や狂犬病、鳥インフルエンザ等
命を脅かすような非常に深刻な症状を引き起こす
感染症が指定されるので、国としても
それだけジカ熱の可能性を危惧しているということです。

まあ今年はオリンピックもありますし、当然と言えば当然なのかも知れませんが。

ですからたとえ大人であっても、
あまり軽くみない方が良いかも知れませんね。