前回、社会主義及び共産主義の違いと
その長所・短所を取り上げました。

社会主義のメリット・デメリットと資本主義・共産主義との関係

ところで、共産主義国家というのは
独裁政権とセットであるイメージがないですか?

というわけで、今回は共産主義国家と独裁政権の
関係性についてを取り上げていきたいと思います。

 

共産主義と資本主義と独裁政権

先にお伝えしておきますが、
共産主義=独裁政権ではありません。

逆に言えば、資本主義であっても
独裁政権となっている国もあります。

ただ傾向的には、共産主義国の政権の方が
独裁的になりやすいということです。

これは何故かというと、
共産主義の理念の方が
国民に響きやすいからです。

共産主義は「平等」を
根本的な理念、テーマとしています。

一方で資本主義は「自由」を
根本的な理念であり、テーマとしています。

どちらの理念も魅力的ではありますが、
これらは一方を追い求めることで
もう一方を犠牲にしてしまう、
という相関関係にあります。

《こちらでは資本主義のさらなる特徴を述べています》

資本主義経済・社会とは。その特徴と問題点をわかりやすく語る

 

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資本主義社会の不満

経済の発展、という意味では
自由を理念とする資本主義の方が理に適っています。

しかしながらその一方で国民が
「持つ者」と「持たざる者」に分かれてしまいます。

そのため「持たざる者」
が大きな不満を持つことになり、
彼らが暴動などを起こすことによって
国の足を引っ張る行動に出るようになる。

その結果、国が不安定になる。

ということです。

しかも資本主義は平等を目的としていないため、
市民もお互いの上下関係をより意識してしまう傾向にあるのです。

よって自分が誰かより劣っている
ということに対して敏感になる、
つまりたとえある程度以上
経済的に豊かであっても
不満を溜めやすくなる側面があるということです。

 

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共産主義と独裁政権の関係

反対に共産主義は、平等を理念として掲げています。

もし資本主義の下で激しい競争に晒され、
国民が生活に対してのストレスと
社会に対しての不満を抱いているところに
「みんなが平等な国を作りましょう!」
と声を挙げたら、どうでしょう。

理念に共有する人たちが
非常に多く現れることは容易に想像できますよね。

ただし、その共産主義の理念を掲げて
革命を起こそうとしている人達が
本気で共産主義国家の実現を目指しているとは全く限りません。

たとえば詐欺師というのは、
自分の利益になると思えば
どんな嘘でも平気で付いて人を騙します。

あるいは悪徳宗教の教祖というのは、
どうしたら信者達を盲信させ、
洗脳することができるか、ということしか考えていません。

もし途轍もない行動力がある人間の中に、
こういった悪魔とそん色のない極悪人がいたら
共産主義のような非常に人の心を
掴みやすい理念を利用しない手はない
と考え、そして実行するでしょう。

極悪人というのは、究極的に
支配を求めていますから、
一度政権を握れば必ず独裁政権になります。

全てはそのための手段であるために、
上に登るまでは国民にとって
耳障りの良いことを言い続けます。

所詮は口先三寸でしかないのですが。

そのうちに洗脳され、
後々政権を握った際に
おかしな行動を取るようになっても
あまり疑われなくなってしまうのです。

それどころか、洗脳が完成していれば
教祖の言うことを無条件に信じてしまうようになります。

まさに、それが洗脳なのです。

独裁者チャップリン

 

資本主義は活気社会、共産主義は無気力社会の傾向 その理由

独裁政権下では、政権の失墜に繋がる
暴動をとにかく避けるために、
暴動の引き金となるような情報が
出回らないように情報操作をしたり、
あるいは逆らったり意見する者を
始末したりという強引な統治の仕方をします。

とにかく危険分子の芽は摘んでしまおうという考えです。

ですから、資本主義国家であっても
独裁政権になることはあるのですが、
資本主義だとなぜ独裁政権に
なりにくいかと言うと、
国民がはっきりとした意志を持っているからです。

「自由」であるために
「自分の人生を自分で切り開いていこう」
というエネルギッシュな人達が多いのです。

一方で共産主義は
「努力しても努力しなくても一緒」
ということで多くの人が無気力状態になっています。

だから政権に不具合があった際、
それに対して暴動を起こしたり
何らかのアクションを起こす人が
共産主義と比べて資本主義の方が圧倒的に出やすいのです。

共産主義の独裁者たちは、
この辺りのことも計算に入れているのです。