現在日本が抱える大きな問題の一つとして、
国民の少子高齢化による高齢化社会が挙げられます。

かなり大きな問題として
位置づけられている感がありますが、
一体何がそんなに問題なのか、
そしてその対策の現状についてを
取り上げていってみたいと思います。

 

高齢化社会の影響

社会問題を語る上で大概最重要になってくるのは
経済的な影響なのですが、高齢化社会はまさに
日本経済に大きな打撃を与えると言われています。

現代経済において中心的な役割を担っているのは、20~60歳。

つまり逆に言えば、全体として見た場合
子供と60歳以上の高齢者は
経済的価値をあまり生み出していません。

さらにそればかりではなく、
子供・高齢者は社会保障や年金の対象となって
支えるために多くの税金が割り当てられます。

要するに、彼らは増えれば増えるほど、
それ以外の年齢層(社会人)
の負担が大きくなっていくということです。

現在問題になっている高齢化社会は、
出生率が著しく低いことと、
医療の発達等の理由で
高齢者の寿命が延びていることから
子供がどんどん少なくなり、
高齢者がどんどん増えていくことで
年齢別の人口比率が逆ピラミッド型になっています。

ですから問題となっているのは
子供ではなく、高齢者です。

この状況について、もう少し詳しく語ってみたいと思います。

 

まず、人口を維持できる出生率というのがあります。

その出生率は2.07であるため、
それ以下の数値だと人口は
どんどん減っていく計算になります。

今の日本はというと1.5にも達しておらず、
2.07を大きく下回っています。

初めて2.07を下回ったのは1974年であり、
それ以降がずっと下がり続けています。

ではそれから人口がかなり減ったのかというと
全くそんなことはなく、ほぼ横ばいとなっています。

この理由はもちろん、高齢者の寿命が延びているからです。

こうなるとどんどん高齢者が増えていき、
子供は減っていくという循環になります。

ですから現在の日本は、
年齢人口比率が年齢が低いほど少なく、
逆に年齢が高いほど多くなるという
逆ピラミッド型になっているのです。

 

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対策の現在

少子高齢化社会問題に対しての
政府による大きな対策としては、

「出生率を増やす」

「年金や介護等の社会保障を見直す」

の二つが挙げられます。

 

出生率向上

出生率を増やすと経済能力の低い子供が
増えることにはなりますが、
彼らは高齢者と違って将来的には
経済の主力になっていくわけですから
基本的には増やせば増やすほど良いのです。

もちろん逆に増やし過ぎても中国のように
国として様々な問題を抱えるように
なってくるのですが、日本の現状を考えると、
増やし過ぎで問題になるレベルにまで
至ることはまずないと考えて良いと思います。

ですから一見かなり直接的で
手っ取り早そうな対策なのですが、
実際にはそんなに簡単にいきません。

参考記事:日本の出生率はなぜ低下したか。韓国等アジアが世界で低い理由

 

出生率を高める手段として、政府はこれまで
「不妊治療に対してのサポート」
「保育の充実」
「育児休暇・育児優遇」
「子供手当」
等の支援策をしてきましたが、
特に目立った効果を上げることはできませんでした。

最近は少し目線を変えて来ていて、
結婚したいけどできない、という人のために
「出会いの場の提供」等の策に出ています。

こちらも今のところ、
目立った効果が出ているとは思えません。

じゃあどうしたら良いのか。

となりますが、その気になればまだまだできることはあります。

たとえば、大量の補助金をばら撒くことができます。

子供が一人できたら~円、
二人できたら~円、といった具合にです。

額を増やせば増やすほど、出生率は間違いなく上がるでしょう。

ですから、そもそも政府は
まだ本気になっていないのではないか、
ということを感じますね。

もちろん税のコスト対効果
しっかり出ないといけないので
そんな簡単なことではないのはわかりますが。

 

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年金や介護等の社会保障を見直す

もう一つは、年金や介護等の社会保障です。

年金も介護も、どちらも大きな問題とされていますね。

ここでは、問題の一つの重要な視点を上げてみたいと思います。

 

高齢者は確かに経済的な価値を産む能力は
高くありませんが、大概の場合は大きな資産を持っています。

ところが、こういった高齢者は
特にこれといった欲もなくなってしまっていて、
得てして資産を抱え込んでしまうことが多いです。

お金だとか資産は世の中に
出回るからこそ価値がありますから、
抱え込んでしまうと経済にとって明らかなマイナスとなります。

さらにその資産家の高齢者が長生きした場合は、
いつまでもその資産が動かないことになります。

それどころか加えて年金も入ってくるので、
事実上どんどんと死んだお金が増えていくことになります。
(そもそもこの辺りの仕組みも改善するべきだと思いますが)

ですから何とかして彼らに
お金を使って欲しいのですが、
そこで介護というのは
非常に有望な投資対象となり得ます。

しかしながら介護は現在、
社会保険費によって支えられています。

ですからこれから高齢者が増えていき
介護を受ける人が増えれば増えるほど、
国が必要となる社会保険料が嵩んでいきます。

そしてそのしわ寄せはもちろん、私たちに来ます。

これでは本末転倒ですよね。

年金や介護保険を含む社会保障の仕組みは
早急に改めるべきだと思います。

もちろんなくせとは言いませんが、
現状だと資産持ちの高齢者がほとんど
お金を使わなくてもない状態ですからね。

彼らのお金がある程度以上
出回るようになれば相当景気が良くなると思うので、
そのための方法をよく考えた方が良いのではないでしょうか。

 

いずれにしても、高齢化社会対策に対しての
政府の動きがまだまだ足りてないように思います。

たとえリスクを背負ってでも、
もっと思い切ったことをしていかないと
事態を改善することは非常に難しいだろうと思います。