昨年、安保法案が成立されましたが
かなり世の中を騒がしていましたね。

賛否両論、様々な意見があるのですが、
ここでは賛成の立場の主張、
安保法案が戦争のリスク回避に繋がる理由
を取り上げたいと思います。

 

戦争法案ではない

まず安保法案というのは、
何も「戦闘・戦争に対して前向きな法案」
ではありません。

戦争のリスクを回避したい気持ちは、
反対派の人と同じなのです。

ですから賛成にしても反対にしても、
そこをわからずに立場を主張するのは
完全にお門違いです。

根本的な目的、目指す理想はだいたい同じであって、
その手段としての安保法案が正しいかどうか
を議論するのが重要なのです。

では根本的な目的、目指す理想とは何なのか。

それは国民の安全・健全な生活の確保と経済の発展でしょう。

もちろんその優先順位や
その他細かいところは各々で違ってきますが、
国民の安全よりも経済発展を優先にする
という主張をしている人はほとんどいませんね。

では安保法案がどのような理屈で
戦争リスクの回避に繋がる期待が
できるかを考えてみましょう。

 

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安保法案の影響

当然ですが、安保法案は直接的な戦闘や
国家の危険に関連した法案に留まりません。

それより遥かに広範囲の影響があります。

例えば一つの視点として、
安保法案によって世界との信頼関係は
より強くなるという見方があります。

実際、今回の安保法案可決は、
大概の世界の国々から評価されています。

これも考えて見れば、当たり前のことです。

何故なら、日本が平和で戦争と無縁である
ということは、要するに同盟国
が戦っているときも直接的な戦闘をしないということだからです。

そのため、日本は国民の犠牲を
払わなくても済んでいるのです。

それが、戦闘に対して前向きになり、
もう少し危険に対して
足を踏み込むようになるわけですから、
同盟国からしてみたら
より「協力的」と見られるのです。

これは特にアメリカに対しては言えるでしょう。

 

日米安全保障条約の有効性

実際、日本はこれまで、
直接的に危険とは関わらずに
アメリカに対しても支援してきました。

が、戦争には参加しても
直接的な犠牲者は出していません。

これは虫の良い話だとは思わないでしょうか。

アメリカは日米安全保障条約によって
日本が他国から攻められたときは
国民の犠牲を払ってでも護るのに、
日本はアメリカが攻められたときは
国民の犠牲を払わない。

これに対して、今のところ
疑問を持って声を挙げている
アメリカ国民は少ないですが、
実際にそういう事態が起こったらどうでしょうか。

日本を命懸けで護ってくれるでしょうか。

可能性として、日本が命懸けで
アメリカに協力しない姿勢であることを理由に
協力を避ける世論が生まれることはあり得るでしょう。

確かに、日本はアメリカに
基地を貸し出したり等
色々と協力していますし、
そもそもアメリカも日米安全保障条約を
制定したときは日本による命懸けの支援を
期待してはいませんでした。

しかしいざという場面になったら、
やはり命の価値は重いですからね。

言い分として通らなくはない理屈ですし、
アメリカが
「自分たちが日本を命懸けで護る理由はない」
と言い出す可能性はあります。

だからこそ、日本はできる限り
アメリカの戦闘に対しても
命を張る必要があるのではないか、
という考え方です。

参考関連:安全保障関連法案が成立。反対意見はお花畑左翼かどうか

 

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抑止力による戦争のリスク回避

一つは、安保法案の制定によって
日本の軍事力を含めた戦闘力が強化されれば、
それがそのまま抑止力になります。

つまり、自分たちから
戦争を起こす気はさらさらないが、
自国が攻められた際はいつでも
強烈な反撃をお見舞いできる
と相手に思わせることで、
相手国は攻めることを躊躇うのです。

ただそういう意味で言えば
現在は一応アメリカが抑止力として働いています。

特に沖縄は中国に狙われているので、
沖縄に駐留しているアメリカ軍が撤退したら
中国は沖縄を奪いに来ると言われています。

ですから、今は完全にアメリカ依存の抑止力なのです。

しかし安保法案賛成派の多くは、
この点について問題視していて
日本が自立し、自国だけで相手国の侵略を
抑止できるようになるべきだと考えているのです。

ちなみに抑止というのは、
相手国の強気で強引な
外交姿勢に対しての抑止も含まれます。

 

最後に

もちろん、ことはそんなに単純ではありません。

上で挙げたのはあくまで一つの見方であり、
考えられる見方と視点は無数にあります。

政治的、経済的、私たちの暮らしに
短期的、長期的に見てどのような影響を与えるのか。

誰も正確にわかる人はいません。

だからこそ、知識人の間でも
賛成意見と反対意見で分かれるのです。

ただこれは安保法案に限った話ではありませんが、
こういう正解のない問題であっても、
考えれば考えるほどにより正解と言えるような、
質の高い判断ができる確率が高まります。

ですから、私たち一般人であっても、
私たちなりに一生懸命考えて
声を上げることは決して無駄ではありません。

重要なのは、その意見が
採用されるかされないかではないのです。

私たちの意見一つ一つが、
国の政策決定に影響を与えるのです。