日本人野手でもっとも優れた結果を残したメジャーリーガーであるイチロー。それも他の追随を許さないほど突出していて、孤高の天才と呼ぶに相応しい存在となっています。
しかしながら、そんな天才・イチローが才能を認める人物がいます。
それは現在もっとも注目度の高い野球選手と言っても過言ではないであろう、大谷翔平。
ここでは二人の関係とイチローの大谷評、そして真の天才バッターはどちらなのか、について取り上げてみたいと思います。
イチローと大谷翔平
恐らく多くの人は、二人には繋がりがないと思っているのではないでしょうか。実のところ、二人は面識はあるし明らかに意識し合う関係でもあるのです。
大谷がイチローを特別視するのは当然なのですが、逆にイチローは大谷をどう見ているのか。結論から言うと、イチローも大谷に対して野手として最高級と言っても良い評価をしています。
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大谷に対しての最初の評価
まず、プロ入り直後でまだ打者でいくか投手でいくか二刀流でいくか決まっていなかったときの発言。
「打者としての類まれな才能がある」
「凄いピッチャーはいくらでも出てくるが、あれだけのバッターはなかなか出て来ない」
「ヤンキースの4番を打てる」
もちろん、イチローがこのようなコメントを残したことのある選手は少なくとも日本人では他にいません。イチローとしては、大谷が投手として駄目だと言っているのではなくて、打者としても活躍できるのであれば打者でいって欲しいと考えたわけですね。
確かに、日本人投手ではメジャーリーグで結果を残している選手は多くいるのですが、野手では正直言ってほとんどの選手が中途半端にしかやれないので、超一流でやれるのであればかなり希少価値が高く、魅力があるというのは言えると思います。
イチローと大谷の食事会
実はイチローと大谷翔平は過去に食事をしたことがあります(2015年1月)。その食事会は密会であったために内容は外に漏れていないのですが、どうやら大谷が懇願したことで実現したようです。
後日、大谷がそのときイチローに
「打者で勝負して欲しい」
と改めて言われたことを語っています。
大谷選手は高卒二年目にして
212打数で
打率 .274
ホームラン 10本
を記録しました。
打率も大変立派ではありますが、本塁打率は約20打席に1本で、これだけのペースでホームランを量産できた高卒2年目の選手はなかなかいません。
この時点で、イチローの目に完全に狂いがなかったことを証明していますね。
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最近のイチローと大谷
2015年度初期の食事会以後は恐らく面会はしていないと思います。
ですが先日、イチローは今の大谷のバッティングについてコメントを残しました。
2017年、前回のコメントから約二年後のことです。
参考動画:イチロー特集 第2夜
7分10~20秒辺りから始まる部分ですが、消される可能性もあるので興味があれば早めにご覧ください。
趣旨をまとめると、
「とにかく強く振らなくてはならないという根本的な考えを共有できるのは王貞治だけ」
「その考えは、現時点で大谷とは共有できない」
という内容でした。
その理由に関しては
「綺麗過ぎる」
「あらゆるリスクをカバーしようとし過ぎ
と付け加えましたが、これは恐らくプロでもよくわからないくらい深い話になってくるので、素人が考えてもしょうがないと思います。
理論を共有できるのが王監督だけと言っているくらいですからね。
しかしここでインタビュアーは引き下がらず、
「でも大谷の打撃の素質は素晴らしいと以前言ってたよね?」
と畳み掛けます。
これに対してイチローは
「そりゃそうでしょ」
「あれだけの身体と技術があれば」
と返答しました。
そして同時に、
「彼は特別」
「自分は特別ではない」
という言葉も付け加えました。
これはすごくわかり易い返事だと思います。
つまり、大谷はまだ技術面や技術に対しての理屈としての理解は不足しているが、天賦の才が桁外れだからそれだけでも十分にやれるということを言っているわけです。
逆に言えば、もしイチロー本人が大谷と同じ肉体であれば恐ろしいことになる、と言っているのと同じですが(笑)
真の天才打者はどっちか
あと、もう一つ重要な視点があります。それは
理論を理解していなくとも感覚だけでやれる打者がいること
です。
イチローは過去にも
「自分は天才ではない。なぜなら、なぜ打てているかを説明できるからです」
と語っていたように、天才というのは感性を土台としてプレーする選手のことです。そういう意味では、イチローは「天才ではない」そして「天才ではない」ということは、「特別でもない」と言えるのではないかと思います。
大谷がどちらのタイプかはわかりませんが、少なくともフィジカル的には特別であり、もともとバッティング技術を備えていたという意味では天才に値するのではないでしょうか。と考えると、より天才と呼ぶに相応しいのは私も大谷翔平の方なのではないか、と思いますね。
しかし、天才とイチローのように理屈で突き詰めていくという要素は共存できるものだと私は思います。
大谷翔平のように才能の塊のような選手がイチローと同じくらいストイックに努力をし、バッティングを突き詰めたらどうなるのか・・・・・。彼はそれができる人だと思いますし、それを考えると打者一本でやって欲しいというイチローの気持ちもわかる気はしますね。
ちなみにこれは余談ですが、イチローは理論を共有できるのが王だけ、と発言しているので大谷選手とは共有できないともうすでに答えているも同じですが、ここでピンポイントで大谷選手を出してきたので
ネット上で
「唐突過ぎるだろ」
「イチローがウンザリしてる」
等とインタビュアーが批判を浴びていました(笑)が、イチローは大谷のことを完全に特別視しているので、ここで大谷を持ってくるのは多少強引ではありますが別に全く問題はないと私は思います。
実際、イチロー本人もウンザリどころか逆にけっこう楽しそうに話していたように見えました。個人的にも、イチローの大谷評が聞けて大変面白かったですし。むしろ世間でも興味のある人は間違いなく多いですし、インタビュアーは全く何も間違っていないと私は感じました。