近年静かなブームになっている、白い小鳥シマエナガ。生息地の北海道では雪の妖精などと言われ、冬場ではよく目にします。

ここでは、そんな可愛すぎるシマエナガについて生態・生息地域と特徴、ペットとして飼育できるのかをまとめました。

 

シマエナガの生態

シマエナガ(島柄長)は、スズメ目エナガ科エナガ属のエナガの亜種です。英名はLong-tailed Titといいます。シマエナガの体長は最長で7.5cmと、仲間のエナガより一回り小さいです。体重は最大で9.5g。人間の手のひらほどの大きさです。

主食は昆虫やクモで、特にアブラムシが大好物です。平均寿命は2~3年と短いです。

シマエナガは、よく鳴きます。その鳴き声は、さえずりは「チーチーチリリジュリリ」、地鳴きは「ジュ(チュ)リリリ」「チルルル」 となります。どんな行動を取るときも鳴き、北国ではシマエナガの鳴き声が聞こえるとその訪れを知れます。

 

 

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生息地域

主な生息地は北海道で、季節ごとに移動しない留鳥(りゅうちょう)です。シマエナガは、基本10羽前後で群れをつくり生活します。冬場には、カラ類やキツツキの種と一緒に行動します。

詳細な生息数ははっきりしていません。シマエナガは鳥獣保護法での保護対象で、捕獲や販売・飼育が禁止されています。北海道では、円山公園や旭山記念公園、北海道神宮などで見ることができます。雪の妖精といわれるくらい、冬の森ではよく目にします。夏は山林や葉の陰に隠れています。あの真っ白くまん丸な身体も、夏場ではスリムになります。

 

シマエナガの特徴

エナガとの違い~体と色

シマエナガとエナガの共通点は、小さい体・黒い翼・長い尾・小さなくちばしと目です。両者の違う点は、エナガの目周りには黒い眉まだらがあります。シマエナガにはそれがなく、頭部から腹部にかけて白一色です。この点が、シマエナガを特定化するゆえんです。また、「エナガ」の由来は長い尾が柄の長い柄杓に見えることからきています。

 

シマエナガの性格は荒い!?

雪だるまのような体につぶらな目から、シマエナガは可愛いの一言で片づけられます。基本的に、シマエナガは、よく動き回り活発な性格です。木の間をせわしなく動き回り、枝に逆さに止まるなど野性的です。

縄張りに入ってきた部外者は、激しく追い払おうとします。攻撃は、小さな速攻弾丸のように体当たりを食らわせます。亭主関白(?)タイプで、基本はオスが強い立場にあります。しかし、荒くれ者かと思いきや意外な一面も。繫殖期にペアを組めなかったシマエナガは、他のカップルの子育ての手伝いをする習性があります。

小さなシマエナガには、非常に多くの天敵がいます。カラスやカケス、イタチなどが卵やヒナを狙ってくるため、常に成鳥は気を抜けません。このように過酷な生態環境に置かれているため、いつも動き回るすばしっこい性質となったのです。

 

夏と冬では姿が違う

恐らく皆さんが心を奪われた、あのまん丸キュートなシマエナガは、冬の姿です。雪国において、人間に限らず小鳥も防寒対策は必須です。コートを着るように羽毛を膨らませるので、だるまのように見えます。エナガそのものはスリムな身体で、シマエナガも春や夏の間はスッとした小鳥です。

「夏と冬のシマエナガで、どれだけギャップがあるの?」

そんな方のために、以下に画像を用意しました。想像するより、実際の姿をご覧になって少しでもシマエナガの生態理解にお役立てください。

 

【冬のシマエナガ】

  【夏のシマエナガ】

 

いかがですか?写真の角度もあってわかりづらいですが、大したギャップはないですね。夏のシマエナガは、コートを着ていないのでよりミニマムで活発な性格が伝わります。けれど、殺人的な可愛さを誇るのは…やはり冬のシマエナガです。

この理屈抜きのラブリーさ、最早神がかっていると思います。

 

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≪参考関連≫ライチョウは絶滅危惧種の飛べない鳥?人工繁殖成功で雛が孵化

 

ペットとしてのシマエナガは?

法律で飼育は禁止されている

シマエナガに恋をしたのなら、誰しも「飼いたい!」と思うことでしょう。しかし、生態の項目でも記したように、シマエナガは保護対象の野鳥なので飼育はできません。

ただし、目的が学術研究であれば許可されるケースも考えられます。“どうしても”シマエナガを飼いたくてたまらないなら、鳥研究の道に進むことを考えましょう。

 

まずは観察から

しかし子どもはまだしも、大人で「今から鳥の専門家になる!」なんて方は、“まず”いないと思います。ですので、現実的で実践しやすいシマエナガへのアプローチ方法を取り上げます。バードウォッチング(野鳥観察)なら、シマエナガに安全に会えます。

夏は難しいですが、冬になったら山地へ出かけて森で雪の妖精を探しましょう。冬場は木々から葉っぱがほぼ落ちるため、シマエナガの姿を見つけやすいです。山に出向くのが億劫なら、動物園や街の公園で鳴き声を手がかりにすれば会えるでしょう。

シマエナガは、最多2000枚ほどの羽毛を運んで木の股に巣を作ります。シマエナガを見つけられるようになったら、次はこの巣作りを観察しましょう。また、アブラムシを食べるため、枝にくっついて忙しく動き回る様子も見られます。

 

まとめ~可愛いくせして腕白な雪の妖精~

つぶらな瞳に小さなくちばし、真っ白い体に嫌悪を感じる人は皆無でしょう。可愛い小鳥は他にもたくさんいますが、シマエナガほどの特徴的な鳥は珍しいです。あなたが現実に雪の妖精を目にしたら、ぐるんぐるん木の枝を回る実態に度肝を抜かれるでしょう。

シマエナガの腕白ぶりは、ご愛敬ものです。シマエナガの写真を探すと、雪降りを止まり木から見上げるものがありますが、静止画は本当に妖精そのものです。だけれど、小さい分生活はハードで警戒心を常に保つ必要があります。だからこそ、その生き様がシマエナガの魅力をますます強めるのでしょう。

この記事で、あなたのシマエナガ愛がより強まったら幸いです。