日本は借金大国である。

しかも、今も借金は膨れ上がっている。

社会的に大大問題だ。

という話をよく聞くことがありますが、
これに対して「嘘」であるとして
批判的な観方をする人も多くいます。

 

日本の借金が増え過ぎることの問題

基本的には、一部のメディアが煽っているような問題はありません。

その理由については前回の記事を参照にして頂きたいのですが。

参考関連:国の借金を一人当たりいくらとは言うがそもそもどこから借りてるのか等

では、なぜメディアはやたらと問題性を強調するのか。

その理由はいくつかありますが、
一つの重要な視点を挙げてみます。

「借金」という言葉には、
すでに言葉自体にネガティブなニュアンスが含まれています。

ネガティブなニュアンスは、
人の恐怖心だとか不安感を煽ることがし易いです。

つまり、非常にインパクトがあり、
そして洗脳力があるのです。

ですから、もし視聴率の高い報道を
優先にしたいのであれば、
借金=大問題
と結び付けるのはかなり有効な手段になる
ということは言えます。

また、自分たちの都合の良い方に
世論を持っていくことも可能です。

たとえば、メディアに政治家たちとの絡みがある場合、
自分たちにとってこうあって欲しいという世論があるでしょう。

そこに誘導するための一つの手段が、
恐怖心や不安感に付け入ることなのです。

 

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日本の借金が問題にはならない理由

「借金」という場合はネガティブなイメージばかりが
先行しがちですが、国の借金の場合は必ずしもそうとは限りません。

前回の記事では、

日本にとって、借金が増えることによる問題は基本的にはない

ということを書きました。

国の借金が増えたとしても、
日本の場合は

・ほとんどが国内の借金である

・国内総貯蓄額が国債発行額を上回っている

※国内の銀行のお金だけで国債発行額を回せる。

・対外純資産が300兆円以上(世界一)

※対外純資産とは国外に対しての利益

等の理由から、現状ではギリシャのように
借金によって沈没することはないだろう
というのが識者たちによる大方の見方です。

同じ借金大国でも、ギリシャとは置かれている状況が全然違います。

 

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日本の借金が問題となり得る理由

しかしながら、必ずしもそうとも言い切れない面もあります。

景気は人々の気分によってその大部分が形成されます。

日本は国の借金が膨大である。

しかもどんどん増えている。

となったら、国民は不安になりますよね。

海外の人達からみても、
「あの国大丈夫なのかな」
と不安になるでしょう。

つまり、実際に不安があるかどうか関係なく、
印象で勝手に不安を感じてしまうことで、
物は売れ辛くなり、経済の動きは鈍くなります。

さらにメディアが煽れば、
その効果はなお一層大きくなりますよね。

実際、海外の人は国内の人以上に
他国問題に対して浅く見ますから、
単純に日本の借金額等
表面上のデータだけみて
「ギリシャよりずっと膨大だ」
「なんて額だ」
となって、財政破綻するのではないか
と考えている人も少なくないのです。

内容をしっかり理解していれば良いのですが、
そうではないからこそそこに大きな問題が生じるのです。

「このまま行ったら国内総貯蓄額を国債発行額が上回る」

だとか様々な問題の可能性が
指摘されていますが、
人々の不安感が増大して
それが景気に悪影響を及ぼせば
そうなることもあり得るのではないかと思います。

 

政府の方針と日本の将来

ですから、国の借金が問題になる
というのは嘘とは言い切れないでしょう。

結局のところ、問題ではないという立場と
問題であるという立場、どちらの立場も間違いとは限らないのです。

政府は借金を問題視し、減らすために
増税や社会保障費の削減等で
国民の負担を大きくしています。

こういった政策が日本社会をどういう方向に導いていくのか。

日本の将来はどうなっていくのでしょうか。

ただ心していたいのは、その方向を決めるのは、
政府の方針だけではないということです。

メディアであり、そして私たち国民自身も
非常に大きな役割を担っているのですから。