シリーズでも屈指のイケメンキャラとして話題のカミュですが、実は妹がいます。
その妹であるマヤとのエピソードで見せる彼の優しさが大変印象的で、性格も超イケメンであることが明らかとなりました。
今回は、そのエピソードの概要紹介と深読み・考察をしていきたいと思います。
そのエピソードのみのざっくりとした概要ではありますが、ネタバレには違いないので見る際には注意してください。
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カミュと妹・マヤのエピソードの概要
カミュは過去に妹のマヤと共に海賊に拾われ、その盗賊達のアジトで生活していました。
雪の中で凍えそうだったところを救われた形なようですが、両親について関してはわかりません。
ある日、カミュは妹に対して金のペンダントをプレゼントします。
しかしながら、それはただのペンダントではなく、何と触れるものが全て黄金になってしまうという呪いのペンダントだったのです。
欲張りなマヤは、手当たり次第色々なものに触れては黄金に変えていきます。
その後そんな調子の乗ったマヤに対してカミュが恫喝し、マヤもそれを聞き入れてネックレスを外そうとしますが、外れません。
そしてマヤ自身が黄金になってしまいます。
目の前で黄金になってしまった妹・マヤに対して何もできず、自分のしたこと(呪いのペンダントをあげてしまったという事実)と自分の無力さにカミュは自暴自棄になってしまいました。
その記憶がとても辛いものであったために、カミュは一時的に記憶喪失となります。
しかしその後、マヤは魔王にその心に抱く欲望・絶望・孤独のエネルギーに目を付けられ、キラゴルドという全てを黄金に変えてしまう魔物に変身する力を得ます。
後に主人公達とカミュはキラゴルドを倒し、マヤも元に戻って一件落着するのですが・・・。
マヤとカミュの性格
マヤの性格は絵に描いたような我が儘
妹のマヤは顔は本当にかわいいのですが性格が完全にオラオラ系で、自分の呼称は「俺」でカミュのことを「クソ兄貴」とか呼んだり口は悪いし、金をくすねたりと素行がとにかく悪いです。
ハトのエピソードではカミュが
「翼があればいつだって自由に飛んでいけるのに」
と乙女チックな発言をしたのに対し
「それよりこいつ焼いたら美味そうだな」
返しています(笑)
それでも実は優しいとか、良いところがある等であれば別ですが、はっきり言ってマヤは素行が悪いだけそういったところは感じられず、悪い部分ばかりが目に付きます。
たとえばハトを黄金に変えてそれを兄に自慢気に見せたり、キラゴルドとして兄と対峙した際に
「この世界の誰も、兄貴でさえ俺を救ってくれなかった」
「今まで俺をこき使ってた奴らをこき使ってやる」
と発言したり。
さすが魔王に目を付けられるだけあって、被害妄想と恨み・妬みが強いタイプです。
確かに恵まれない環境で生きてきたのはわかりますが、完全に捻くれしまっていますね。
いくら辛かったとはいえ、それを支えようとどれだけ兄が想ってくれていたのか考えることができていないのが残念です。
カミュの妹に対する愛情と優しさ
一方でカミュは、そんな妹に対して常に本気の思いやりを持って接しています。
特に印象に残ったのは誕生日プレゼントをあげたシーンで、
「はあ?何このショボい首飾り。俺を祝いたいならもっと頑張れよ」
と返したマヤに対しても呆れてはいますが特に何も言いませんでした。
普通だったらブチ切れるところなのではないでしょうか。
しかしその後ハトを黄金にしたことに対しては本気でキレています。
命を粗末にしたことが許せなかったのでしょう。
自分はどう扱われても良いけど、人に迷惑を掛けたり他の動物を傷付けることは許さない。
そして自分のあげたプレゼントによってマヤが黄金になってしまったと苦しみ悩み、記憶喪失になるほどに自分を責める。
そもそも完全に善意からの行為であり、そこまで責任を感じる必要はないのですが、本当に優し過ぎるくらい優しい男ですよね。
もっとも、マヤを失った悲しみも当然あったでしょうが。
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マヤの本性は違う?
そんなこれ以上ないほど優しい兄に対して、妹のマヤはその優しさを逆手に取って散々我が儘を言って甘えていたわけです。
偉そうにしてた海賊に対しても悪態を付いていましたが、マヤの他の言動を見るとむしろマヤの方が問題だったのではないかと思えてきます。
カミュが助けられなかったことに対し、今まで与えた恩義や愛情を全て棚に上げて「兄貴は助けてくれなかった」と拗ねるのはかなり残念な人なのではないかと思わざるを得ません。
さらに良心の呵責から記憶喪失にまでなったのに、その気持ちを考えないにもほどがあるのではないでしょうか。
もっとも、まだ子供なのでそこまで強く言うのは少し変かも知れませんが(笑)
しかしながら、そんなろくでもない妹であってもカミュは最後まで見捨てず、命懸けで救おうとします。
キラゴルドの力が暴走し出して制御不能になった際、自らの責任としてマヤに止めを刺そうとしましたが、これも
「これ以上妹に罪を重ねて欲しくない」
という優しさからです。
ですが追い込まれると、マヤはカミュに対して本気で助けを求めます。
最初に黄金になったシーンでも、力が暴走して飲み込まれそうになったシーンでも、カミュを
「お兄ちゃん」
と呼びます。
結局、マヤは兄のカミュを一番頼りにしているのです。
ほんと虫の良い奴ですが、さすがにそんな妹に対して止めを刺すことはできませんよね。
そしてこのシーンから、もう一つわかることがあります。
それは、マヤが男言葉を使って男っぽい性格になっていたのは、実はただ強がっていただけであり、自分の弱さを隠すためであったということです。
実はペンダントをもらったシーンでも、口では「こんなもんいらん」的なことを言っておきながら、カミュが見てないところで抱きしめています。
確かに、マヤの置かれた境遇を考えたら強がってないととても生きていないところもあったでしょう。心に傷を負い、その傷と向き合わないための一つの手段であったわけですね。
恐らくカミュはそれをわかっていて、自分がマヤの精神的な支柱になってやらなければならない、と常に思っていたからこそ、どんなにマヤが我が儘であってもそれに対して決して怒らず、ただただ優しく接していたのだと思います。
そう考えると、カミュはどこまで妹想いなんだ、という印象を受けないでしょうか。
しかしながらマヤがカミュではどうにも救いようのない呪いによって黄金となってしまい、
「兄貴は助けてくれない」⇒「魔王は助けてくれた」⇒「兄よりも魔王の方が良い」
となってしまったわけですね。
つまり、マヤは気持ちよりも実際の力の方に魅力を感じたわけです。
わかり易く言えば愛か金かで金の方を選んだということです。
もっとも、キラゴルドとなってからカミュと再び対面した際には、彼女の中で明らかな葛藤があったことが伺えますが。
つまり、マヤは心が弱いだけで決して悪い子ではないのです。
最後に
このエピソードで、人間の深層心理とは何なのか、ということを考えさせられますね。
カミュはかなりイケイケな性格でときに口が悪いところもありますが、ああ見えて実は本当に優しい。
マヤも同じように一見イケイケではありますが、実は心に深い闇を抱えていてそれを隠すための手段としてそう振る舞っている。
カミュは自分が追い込まれても弱気になるようなことは決してないでしょう。
逆にマヤは完全に兄のカミュに依存しています。
つまり、表向きだけでは人間の本性はわからないのです。
自分の周囲の人もよくよく観察して、深い部分で何が起こっているのか、そういう視点で見ていくとより人を見る目が養われてくるのではないかと思いますね。