二年連続トリプルスリー

という今まで誰もやったことのない

偉業を成し遂げたヤクルトスワローズの山田哲人選手。

その史上でもなかなかような

圧倒的なパフォーマンスから、

メジャーでの活躍も期待されるようになってきました。

まあ本人はあまり意識がないようですが(笑)

 

というわけで、今回は山田選手について

メジャーでの打率・ホームラン予想

をメインテーマとして取りまとめていきたいと思います。

 

山田哲人という選手の凄さ

山田哲人選手は

2010年のドラフトで

外れ外れ一位

にて、高校卒業後に

ヤクルトスワローズに入団しました。

ですから、当時は

それほど騒がれた選手ではなかったのです。

しかしながら2014年(22歳の年)

に突如にして変貌し、

打率.324

ホームラン29本

という凄まじい成績を残しました。

 

さらに

2015年(23歳の年)

打率.329

ホームラン38本

2016年(24歳の年)

打率.304

ホームラン38本

 

ということで、三年連続で

超ハイレベルな打撃成績を維持したのです。

 

一年だけなら

凄い成績を上げる人がいますが、

三年連続で残すというのは

本当に難しいことなので、

これは山田哲人という選手が

「本物である」

という一つの証明にもなっています。

しかもその三年間は、

22~24歳という若さですからね。

この時点で、史上でもなかなかないレベルです。

 

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走攻守全てを兼ね備えた完璧選手

しかも、山田選手の優れたところは

バッティングだけではありません。

走力、守備力も超一流なのです。

盗塁数は

2014年:15個

2015年:34個

2016年:30個

で、

2015年と2016年は二年連続の盗塁王。

 

そしてさらに重要なのは、

山田選手の盗塁は

成功率が非常に高い

ことです。

2016年は

30回の成功に対して失敗は2回

だけ。

大概盗塁王になる人というのは

企画数が多いので

もう少し失敗が多くなるものなのですが、

山田選手は本当に走れるときしか走らずに

これだけの数を稼ぐのですから本当に恐れ入ります。

 

さらに守備に関しても、

走力に加えて勘の鋭さによる守備範囲と

堅実さの両方を兼ね備えています。

唯一の肩はそれほど強くないものの

二塁ですからあまり気にならず、

守備の方でも超一流という評価をされています。

(ただしセリーグには菊池涼介という忍者がいるので、

ゴールデングラブ賞の受賞経験はありませんが)

 

メジャーでの活躍の可能性

さて、そんな日本球界において

今や至宝とも言えるような山田選手ですが、

もし彼がメジャーでプレーしたとしたら

どのくらい活躍できるのでしょうか。

実のところ、現状としては国内・国外

共にあまり大きな期待は掛けられていません。

 

ただ、それには十分な理由があります。

まず、過去にメジャーリーグで

成功と言えるような実績を残した

日本人野手は数えるほどしかいません。

その中には山田選手のように、

三拍子以上揃った凄い選手もいたのにも拘わらずです。

 

ですから、その時点で

山田選手が成功できなくとも

それは決して

不思議なことではない

ということになりますね。

 

現時点での打率・ホームラン数予想

現時点での個人的な打撃成績予想としては、

打率.250~.280

ホームラン一桁~10本代前半

程度です。

多くの関係者も、大体このくらいを

想定している人が多いようですね。

 

その理由としては、まず

何と言っても上で挙げたように

山田選手と同じような4拍子くらい揃った

岩村明憲、松井稼頭央、福留孝介

等の選手が、微妙な成績で終わってしまったことがあります。

彼らと山田選手は、はっきり言って

タイプ的にも日本での実績的にもかなり近いです。

 

そしてホームランについては

下手したら一桁になる可能性があります。

その大きな理由として挙げられるのは、

山田選手はそれほどパワーのあるバッターではないから

です。

「ホームランを30~40本も

三年連続で打っていて

パワーがないなんておかしくない?」

と思われる方もいるかも知れませんが、

そうとも限りません。

パワーはそれほどなくても、ホームランを量産できる選手はいる

のです。

それは

打撃のツボを持っている選手

です。

 

山田選手はまさにそれに当たります。

つまり、彼の場合は

ツボにハメてホームランを量産している

ということです。

ですから基本的にパターンは

限られていて、それは

甘い球をしっかりと捉えた引っ張りのホームラン

です。

 

それ以外のホームランは決して多くありません。

本当にパワーのあるバッターは、

形を崩されても、多少詰まっても

スタンドまで運んでしまいますが、

彼はそういうことはできないのです。

 

その代わり、ツボに来た球に関しては

高確率でレフトスタンドに突き刺すことができます。

引っ張りの打球は一番飛びますし、

両翼は球場の中で一番狭いからです。

そうなるとパワーがなくても、

ツボにハマればけっこう余裕で

ホームランにすることができます。

だからこそ、パワーがそれほどなくても

ホームランをたくさん打つことができるのです。

 

ちなみに、もちろんツボには

ホームランだけではなくヒットのツボもあり、

それがある選手は間違いなく

ある程度以上の成績を残すことができます。

 

メジャーで打撃成績が大きく落ちる理由

打者にとって、日本とメジャーでは

数え切れないほどの違いがありますが、

その中でもっとも重要な違いとして挙げられるのは

投手のレベルとボールの質です。

 

相手の投手のレベルとボールの質が

変わると、打者にとって二つの大きな懸念材料があります。

それは

飛距離の低下による打率とホームランの減少

今までのバッティングスタイルを貫けるか

です。

 

飛距離の低下による打率とホームランの減少

日本とはボールの質が違ってくるとなると、

現在ギリギリで入っているホームランは

間違いなく入りません。

というより、入らないどころではありません。

メジャーのボールは

下手したら

マイナス15~20m

くらいになります。

その証拠として、

日本で160m級のホームランを

打ったことのある松井選手のメジャーでの

最大飛距離が140m程度

となっています。

こちらのサイトが参考になると思います。

日本人メジャーリーガーの本塁打飛距離比較

 

これはかなり衝撃的で、

日本では150m級の

ホームランを打ったこともある

選手の最大飛距離も

メジャーでは130m程度

になっています。

 

となると、もし日本で

メジャーのボールを使用したとしたら、

ざっくり計算すると

今の日本のボールでの飛距離が

神宮球場なら両翼で110m以上

右中間左中間、センターで135m以上

でギリギリくらい

ということになります。

 

山田選手のホームラン平均飛距離は

110m~115m

くらいなので、そう考えると、

半分の20本程度になってしまう

ことが予想されます。

しかも、メジャーの球場は

概ね日本よりも広いので、

そうなるとたとえメジャーのボール、

メジャーの球場を使って

他全て同条件で日本のペナントレースをやったとしても

山田選手のホームラン数は15本程度になる

可能性がある、ということになりますね。

 

今までのバッティングスタイルを貫けるか

日本でツボを活用して

凄い成績を残していた選手の多くは

メジャーではそれができていません。

それは一言で言えば

日本では通用した自分のバッティングスタイルが通用しない

ということです。

こうなったら、もう成績を残すことは

絶対に不可能です。

 

でも自分のバッティングスタイルを変えても

それはそれで恐らくうまくいかないので、

結局どうすることもできずに終わる、

というのが大体のパターンであるように思えます。

私が感じるところだと、

多くの超一流の成績を残した

日本人選手がメジャーで上手く行かない

一番の理由はこれだと思います。

 

また、ツボで打てなくなる理由としては、大きく二つあります。

一つは単純に

相手投手のレベルが高くて自分のスタイルでは打てない

で、

もう一つは

自分のスタイルで打てるが、パワー不足で

ホームランにできずフライアウトになってしまう。

です。

今までしてきたように

自分のツボで打ち続けるためには、

この二つをクリアしなければなりません。

 

それが山田選手にできるのか、

についてですが、個人的には

山田選手にとって一番問題になってくるのは

前者だと思います。

後者については、山田選手のツボの打球は

比較的ライナー性の当たりが多く、

芯で捉えることさえできれば

ホームランにならずとも

2ベースや3ベースのヒットになる

可能性が高いので、それほど

大きな問題にはならないと思います。

 

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将来的な打率・ホームラン数予想

これまでの考察から、

やはり現時点の山田選手の実力だと、

あまり活躍できない可能性がかなり高い

ということがお分かり頂けたと思います。

 

ただ、これは以前に取り上げた

大谷選手や筒香選手と同じですが、

山田選手にも同様の大きな強みがあり、

それによりまだ十分な可能性があります。

それは

若さ

です。

彼は現在24歳という若さで

すでに圧倒的な実績を残している

のです。

これは裏を返せば、

まだまだ成長の余地がある

ということになります。

自分の打撃スタイルをさらに磨き、

日本で一流なピッチャーを相手に

良い当たりを打ちまくれるようになれば、

メジャーにいってもスタイルそのものは

通用するレベルになると思いますからね。

 

松井選手もイチロー選手も

明らかにただでさえ高いレベルを

さらに上げていきましたから、

もし同じようにレベルアップができれば

メジャーのキャリアハイで

打率.300

ホームラン20本

をクリアできるようになる可能性は

十分あるのではないかと思います。

 

今のままではあまり期待できない

ただし本人が現状維持で

十分という気持ちだと、

これから先あまり成長が期待できません。

山田選手の発言を聞いてると、

「何で打てているのかわからない」

「(筒香選手に)早く抜かして欲しい」

といった感じのネガティブコメントが目立ちます。

正直なところ、こういった心境では

なかなか厳しいと思います。

 

イチロー選手にしても松井選手にしても、

成長し続ける人というのは

必ず自分がもっとできるということを信じて、

ストイックに努力しています。

それは大谷選手や筒香選手にも

感じられるので、だからこそ

個人的に二人には期待しているのです。

 

とは言え、才能や能力そのもので言えば

山田選手もメジャーで活躍できる

だけのものは持っているはずですから、

ぜひもっと前向きになって、

高い志を持って欲しい

と私は思っていますけどね。