ヒューストン・アストロズに所属するメジャーリーガーであるホセアルトゥーベは、かなり身長が低いにも関わらずメジャーでもトップクラスの名選手です。

彼はメジャーに疎い日本人の中でもかなり知名度が高まってきていますが、その理由はイチローと選手のタイプが同じだからです。

というわけで、ここではこのアルトゥーベという選手が一体どんな選手なのか、について迫ってみたいと思います。

 

ホセ・アルトゥーベの簡易経歴

ホセアルトゥーベは1990年5月6日生まれの現在27歳

ホセアルトゥーベ若松

 

2006年3月6日に、わずか15歳にしてアストロズと契約し、以後しばらくはマイナーリーグで下地を培っていました。

そして頭角を現し始めたのは2011年、21歳のシーズン

AA級のコーパスクリスティ・フックスで、35試合出場し

打率.361

本塁打5

OPS.958

盗塁5

という、文句の付けようのない素晴らしい結果を残します。

その成績が評価されて同年7月20日にメジャーデビューを果たし、それだけでなくさらに57試合に出場し

打率.276

本塁打2

OPS.654

盗塁7

という、リードオフマンとして十分に合格点と言える数字を残しました。

以後、アルトゥーベは順調に成長していき、まだ27歳であるにも関わらず、すでに2度も首位打者を獲得しています(2014年と2016年)。

通算打率は何と

.311

この時点で、素晴らしい選手であることは疑いようもないのですが、これは彼の凄さのほんの一部でしかありません。

 

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イチローの上位版?

何とあろうことかこのホセアルトゥーベという選手、我々日本人が誇る史上最高のメジャーリーガーであるイチロー選手の、上位版であるという言い方がされることもあります。

これは多くの人にとって、少し聞き捨てならない表現かも知れませんね。

しかし実際、ただの煽り好きな人がオーバーに表現しているだけかと思いきや、指標の数々を比べてみると、その視点はあながち的外れではないのです。

アルトゥーベとイチローはシュアで確実性のあるバッティングが持ち味で、足が速く、守備が上手いという特徴を持つ、全く同じタイプの選手になりますが、だからこそ優劣が付け易い、と言えますね。

では、一つ一つ見ていきましょう。

 

打率の比較

まず打率。

イチロー選手のメジャーでの通算打率は.313

前述のようにアルトゥーベは.311ですから、ほとんど違いはありません。

しかしながら、アルトゥーベの方がプラスαの部分で、打撃力は上に評価されています。

そのプラスαとは、彼が長打力で勝っていることです。

アルトゥーベは2016年には24本塁打放っていますが、イチロー選手のホームラン数キャリアハイは2005年の15本です。

出塁率はそれほど違いませんが、打率・長打力・出塁率を数値化した指標であるopsを比較してみると、イチローが通算.761なのに対し、アルトゥーベは通算.790となっており、こちらも上回っています。

しかも、アルトゥーベはまだ27歳で、野球選手の野手として一般的なピークの年齢ではないのです。

ただし、それを言えばイチローもピークを過ぎた成績も入っているので、それほど不公平感はないのですが(笑)

 

足の比較

アルトゥーベもイチローも、メジャートップクラスの走力を備えています。

走力の比較をする上で一つの重要なファクターとなってくるのは、

盗塁能力

ですよね。

ということで、両者の盗塁能力を比較してみましょう。

 

※メジャーでの記録

イチローは通算624の企画に対し、508の成功、116の失敗(成功率81.0%)。

アルトゥーベは通算258の企画に対し、199の成功、59の失敗(成功率77.1%)。

 

となっています。

ですから成功率としてはイチローの方に軍配が上がります。

しかしながら、打席数と盗塁企画数で盗塁企画率を計算してみると、

アルトゥーベ 7.07%

イチロー 6.13%

となっています。

もちろん前後の打者の兼合いもあるので一概には言えませんが、これらを総合して見るとほとんど互角と考えて良いのではないでしょうか。

 

守備力の比較

では、守備力ではどうでしょうか。

イチローは言うまでもなく、アルトゥーベも守備にはかなり定評のある選手です。

アルトゥーベは肩の力こそ平均程度ですが、スローイングは非常に安定していて、通算守備率も非常に高い数値を示しています。

ですが、イチローの守備力はメジャーでも史上屈指です。

守備範囲、安定感、肩の強さ・正確さどれをとっても超一流なのです。

現に、アルトゥーベがゴールデングラブ賞を受賞したのは2015年の一度だけですが、イチローは2001年 ~2010年まで10年連続で受賞しています。

ですから守備という基準で比較した場合は、イチローの勝利と言っても差し支えないのではないでしょうか。

 

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結論

結論としては、アルトゥーベとイチローを比較した際、

バッティング:アルトゥーベ>イチロー

足:アルトゥーベ=イチロー

守備:アルトゥーベ<イチロー

となりました。

ですから、

両者の選手としての凄さはほぼ互角

と言って良いのではないでしょうか。

打撃に関しても、確かにアルトゥーベの方が現時点で通算opsが上ですししかも若いですから、より高評価に値するとは思いますが、それでもイチローは10年連続200本安打というとんでもない記録を打ち立てていますからね。

10年間も安定して、怪我もほとんどすることがなく活躍できるというのは、並大抵のことではないでしょう。

これは単純な数字以上に評価に値する要素だと思いますね。

※こちらはアルトゥーベ選手の特集動画になります。

 

それでもやはりアルトゥーベが凄過ぎる理由

そうなると、イチローの上位版と表現していた人達がただのイチローアンチで非国民かと言えば、私はそうは思いません。

アルトゥーベは本当にすごいのです。

何が凄いかと言えば、彼は身長がメジャーでも最低水準で低いことです。

それどころか、もっとも身長の低いメジャーリーガーと言われていて、公称で5フィート6インチ167.6cmしかありません。実はもっと低いのではないかと言われています。

これほど低い選手は、日本にもほとんどいません。

イチローもメジャーでは小さい方ですが、それでも180㎝はありますからね。

これだけ身長が低いにも関わらず、中距離バッターくらいのホームラン数を稼いで超一流の打率を残すというのは、一体どれだけのバッティング技術があるんだろう、と思います。

ただし、パンチ力という点では明らかにイチローよりも上に見えますが。

 

この身長でなぜこれほどの破壊的なスイングができるのか・・・。

これが日本人と欧米人の違いなのでしょうか。

 

どちらにせよ、彼はまだ年齢的に考えてキャリアのピークではないはずなので、今後どのような進化を遂げるのか、大注目の選手であるのは間違いないでしょう。

まあ日本人としてはイチローと比較されるのであまり凄くなってもらっても困る・・・かも知れませんが(笑)