台湾の大企業である鴻海(ホンハイ)
シャープを買収しようという動きに出ています。

ここではこの買収の目的と
買収後、社員はリストラされるのか
についてまとめてみたいと思います。

 

鴻海とは。シャープ買収の目的

鴻海は電子機器の受託生産(EMS)
を行う企業で、台湾で最も規模の大きな企業です。

アップルや任天堂、ソフトバンク等の
世界最大手企業の主力製品を手掛けていて、
世界のEMS企業としても最大規模となっています。

ですから、日本人からすると
シャープの方が馴染みがあって
メジャーな気がするかも知れませんが、
全然スケールが違うのです。

そんな鴻海がシャープを
買収しようとしている目的は、
もちろんそんなに単純ではないでしょうが、
表向きの主な理由としては
シャープの技術力が欲しいから
と鴻海の会長本人の口から語られています。

参考:http://www.sankei.com/

シャープはこのところの失敗続きで
及び腰になっていることと、
経営難で資金不足になっていることから
折角の技術力が生かせない状況に
なっていると考え、それはもったいないから
ぜひ弊社が買収してシャープの良さを引き出そう、
と考えたわけですね。

参考関連:鴻海側は違約金合意も、シャープ側が偶発債務を隠ぺい?

 

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社員の大量リストラはあり得る?

仮に鴻海がシャープを買収した場合、
現在のシャープの社員たちは一体どうなるのか。

実は、鴻海による買収はシャープ側以上に
日本政府からあまり良く思われていないので、
日本政府はそれをさせまいとする手段に出ています。

政府系ファンド、産業革新機構の
資金援助等による経営立て直し支援です。

これにより鴻海は買収が
一筋縄ではいかなくなったために、
会長が買収に当たって四つの条件を出しました。

「事業売却はしない」
「シャープのブランドは維持する」
「従業員の雇用も守る」
「首脳陣の退任は求めない」

参考:http://headlines.yahoo.co.jp/

 

その結果、シャープとシャープに関係する
主要銀行はこちらの方が旨味があるとして、
現状は買収受け入れに傾いています。

従業員の雇用を守ることも
条件に含まれていますし、
一見すると安心しても良いのではないか。

と思えます。

しかしながら会長は、

「目標を達成できる従業員は豊かになるでしょう。しかし達成できない人には退いていただきます。その場合、退職金はありません」

「絶対にリストラしないという保証はできません」

とも述べています。

この発言を聞くと、
ゴリゴリの競争を導入する気満々ですね。

日本では一歩間違うと
ブラックと認定されそうです(笑)

ただ社内環境は厳しくなるかも知れませんが、
別にシャープの社員を特別視
しているわけではないので
これを良しとする人と悪とする人
で分かれるところでしょう。

 

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約束は守るの?

ただもう一つ挙げなければ
ならない非常に重要な視点があって、それは

「本当に条件を守るのか」

です。

やり手の経営者というのは
法スレスレのブラックな手段を使う人も多いので、
逃げの言い訳をしっかり用意しておいて、
技術だけかっさらって
「はいご苦労さん」
となる可能性もゼロではありません。

また、

「40歳以下の若い社員を解雇することはない」

とも言及していますが、
これは逆に言えば、41歳以上の社員を
大量リストラする可能性があるとも取れます。

「絶対にリストラしないという保証はできません」
と合わせて考えると不安を感じる見方もできますよね。

しかし、それはたとえ
国が支援を行うようになったとしても、
ないとは言い切れません。

そもそもすでに経営が傾いていて
現状維持すら厳しい状況なのですから、
私としてはシャープの経営再建が
より期待できるのは国の支援より
鴻海の買収の方だと思っていますし、
様々な不安はあっても買収された方が良い
という考えです。