2016年度セリーグの
ホームラン・打点二冠王に輝いた
DeNAベイスターズ所属の筒香嘉智選手。
凄まじい打棒でプロ野球界を席巻しましたが、
彼が果たしてメジャーでどのくらいの
結果を残せるのかについては
議論の余地がかなりあります。
というわけで、今回は
筒香選手のメジャーでの打撃成績予想
をメインテーマとして取り上げていきたいと思います。
概要
打撃の開花
筒香選手は数年前まで
才能を持て余していた感がありました。
もともと逸材と呼ばれていたのですが、
2013年(22歳の年)
までは
打率.200~.250
程度しか打てず、
ホームランもあまり打てないということで
スタメンはおろか一軍に定着することも
できていなかったのです。
それが2014年(23歳の年)から、
その才能の花が急速に開き始めました。
2014年は
打率.300
ホームラン22本
という大変立派な成績を残します。
さらに翌年の
2015年(24歳の年)にも
打率.317
ホームラン24本
と成績を伸ばし、
そして
今年2016年(25歳の年)は
打率.322
ホームラン44本
となりました。
文句の付けようのない成績で
ホームランと打点の二冠王に輝き、
すでに、日本では屈指の強打者となっています。
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日本人野手がメジャーで活躍することの難しさ
その結果、今では筒香選手は
メジャーでやったらどうなるのか、
という議論がされるようになりました。
しかしながら、
日本人野手のメジャー挑戦は
投手と比べると成功するのが
大変難しいことで知られています。
これまで日本で圧倒的な成績を残した
選手たちが、メジャーに挑戦して
平凡以下の成績に終わってしまうことは
全く珍しいことではないのです。
とはいえそれでも、筒香選手ほどの
打棒を見せ付けた選手は多くありません。
多くはないとはいえ、
井口資仁
岩村明憲
福留孝介
松井稼頭央
城島健司
中村紀洋
といった(元)選手たちは
筒香選手に匹敵するくらいの
圧倒的な成績を日本時代に残していました。
しかしながら、彼らの多くは
打率・ホームラン共に
日本時代と比べて
信じられないくらいに落としています。
選手によってホームランが
日本時代の40本代から
一桁代になったり
と、そのくらい極端なのです。
そうなると、スタメンを維持するのがやっと、
あるいはスタメンにもなれなかったりということで
「メジャーで通用していない」
あるいは
「メジャーで成功したとは言えない」
というレッテルを貼られてしまいます。
実際一般的には、彼らは皆
「成功した」
という評価はされていない
のです。
日本人野手として文句なしに
成功したと言えるのは、もはや
知らない人もいないくらいのレジェンドである
イチロー
松井秀喜
の両選手だけです。
ですから、メジャーで野手が結果を残す
というのは本当に大変なことなのです。
メジャーの打率とホームラン予想
ではこれらを踏まえた上で、
本題に入りたいと思います。
果たして筒香選手は、
メジャーで結果を残せるのか。
これに関しては、
一つ前提条件を設ける必要があります。
それは
現状なのか
それとも
将来的になのか
です。
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まず先に
「現状」で考えてみたいと思います。
現状の実力では
筒香選手は三年連続で
素晴らしい成績を残しましたが、
前述のように上で挙げたような選手たちは
当たり前のように同じくらい活躍していました。
しかも、筒香選手のホーム球場は
横浜スタジアムであり、ここは
かなりホームランの出易い、
打者有利の球場
です。
となると、この時点で筒香選手が
他の選手たちと同じような、
言い方が悪いですが中途半端な成績
で終わってしまう可能性は十分にあると言えます。
中途半端な成績とは、
打率.250~.280
ホームラン10~15本
くらいですね。
まあ.280&15本を毎年打てれば
それだけでもスタメンを維持できる
レベルではあるのですが、
一流の打者としての評価はされず、
あくまで平凡な打者の範囲内になります。
速球が弱点?
しかも、筒香選手は大きな弱点
を持っていると言われています。
それは速球です。
2016年で打ったホームランの多くは
変化球であり、直球は比較的少ないのです。
特に150キロを超える速球については、
かなり苦手としています。
これは去年までのデータなので
今年は改善されていますが、
やはり傾向はまだあります。
(それでもホームランはほとんど打っていません)
言うまでもないことですが、
メジャーのピッチャーの球は
日本のピッチャーとは比較にならないほど速い
です。
日本では最速クラスの160キロを投げる
ダルビッシュ投手ですら、
普通の速球派ピッチャーになります。
日本では大谷選手の平均球速が
断トツで一番速いですが、
メジャーにはそれ以上の選手も何人かいます。
(最速であればチャップマンだけですが)
ですから、150キロの速球なんて
もはや速球ですらないほどなのです。
となると、速球が弱点という時点で、
成績的にはかなりマイナス要素になることが予想できますよね。
ということで個人的な予想としては、
.250~.270
10~15本
という結論に達しました。
これでは筒香選手の足と守備を考えると、
スタメン維持すら難しい
ところになってきてしまいますね。
他の元超一流日本人と同じように、
返り打ちに合ってしまう可能性は
十分にあると思います。
将来的にはどうか
ただし、もし筒香選手が今後さらに
成長を遂げれば、話は全く違ってくるでしょう。
実は、メジャーで物足らない結果に
終わってしまった超一流日本人野手たちと
筒香選手の大きく違う点があります。
それは
結果を出している年齢が
筒香選手の方が若い
ことです。
これは非常に重要な要素になります。
多くの選手の場合、
バッターの最盛期は30歳を過ぎた辺りにあります。
たとえば、松井選手が筒香選手と同じ年齢のときは
.292
34本
でしたから、現時点では
筒香選手の方が上回っています。
ところが松井選手はここから
もう三段階くらい成長しました。
日本で二段階
メジャーで一段階
といった具合です。
つまり、たとえ現時点で筒香選手が
それほど通用しないかも知れないとしても、
将来的には松井秀喜選手のような
活躍がメジャーでできる可能性はあるということです。
もちろん、早くに大成しながらも
その後は大して成長せずに
終わってしまう人もいるし、
ある程度年齢を重ねてから
一気に大成する人もいますから
その辺りはかなり個人差があるのですが。
大きな成長の可能性
個人的には、筒香選手は
間違いなくまだまだ相当伸びると思っています。
その最大の理由は、
彼の夢がメジャーであること
です。
多くのバッターは、優れた成績を残すと
満足をして現状維持をしようとします。
(優れた成績を維持ことも十分凄いことではあるのですが)
しかし筒香選手の場合はそうではなく、
さらに上を目指します。
何故なら、最終的な目標がメジャーだからです。
目標を最高レベルに置いているからこそ、
現状どんな成績を残そうと
それに胡坐を掻くことは絶対にありません。
つまり、筒香選手の感覚としては
ホームラン44本打とうと
それはあくまで
「通過点」なのです。
これはイチロー選手や松井選手にも
共通したことです。
日本にいたときから、
決して現在の成績に満足することなく
常に上を目指していた。
たとえ断トツのトップになろうが、
それでも貪欲にさらなる進化を求める姿勢があった。
その積み重ねが、日本人打者としての
最高の結果に繋がったことは間違いないと私は思います。
後もう一つ言えるのは、
メジャーを最終目標としているのであれば
現在もメジャーで打てるバッティングを
意識しているはず
ということです。
たとえ日本で無双できても、
メジャーでダメなら意味がない。
そういう意識があるかないかでは、
全然違うでしょう。
ですからこれからもっと
速球に対して強くなってくるでしょうし、
まだまだ本当に可能性に満ち溢れていると思います。
個人的には大谷選手の次に
メジャーで活躍する可能性が高いと思っています。
キャリアハイ予想
私の将来的な筒香選手の
メジャー打撃成績予想(キャリアハイ)は
打率:.300~.320
ホームラン:25~30本
です。
この数字の直接的な理由としては、
逆方向に打つのが
松井選手より上手いので、
打率はより残せるのではないか。
パワーは松井選手より少し劣るので、
ホームランは30本弱なのではないか。
といったところです。
逆方向へのバッティングとパワーは
天性によるところが大きいので、
成績もその延長線上になってくると思います。
もちろん、前述のように現状では
こんな数字はとても残せないので
もう3段階成長することが大前提にはなりますが。
いずれにしても、松井選手に
匹敵する活躍を期待したいですし、
筒香選手のポテンシャルは
十分それに値すると思います。
守備負担の大きい捕手や内野とお気楽外野手やDHの打撃成績を単純比較するのはおかしくないですか?
メジャーでも打者有利と投手有利の球場がありますよね。
ベーブルースのおかげか左打者有利の球場が多いようですが
その点では筒香には有利ですかね。
複数年レギュラーで規定打席到達したら通用したと言えると思います。
日本での実績地位を捨ててメジャーに挑んだ選手達には敬意を表したいですね。
トヨピコさん、コメントありがとうございます。
確かに単純比較はできないですが、
そういうのも混ぜると話がややこしくなるので
ここでは打撃成績をメインテーマとしています。