プロ野球界で二刀流と言えば、

大谷翔平選手をおいて他にないだろうと

考えていらっしゃる方もいると思います。

しかしながら、実は

メジャーにも二刀流と呼べるような

投打共に素晴らしい能力を見せ付けている選手はいるのです。

それはマディソン・バムガーナー(バンガーナー)選手。

 

というわけで、ここでは

彼が一体どんな選手なのか、

注目してみたいと思います。

 

バムガーナー選手の簡易プロフィール

マディソン・バムガーナー選手は

サンフランシスコ・ジャイアンツに所属する投手。

1989年8月1日生まれの27歳で、

2007年にドラフト1巡目(全体10位)

で高卒して直でメジャーの門を潜りました。

身長195㎝

体重106kg

と非常に大柄で、かなり珍しい

右打ち左投げの選手でもあります。

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彼は早々にドラフト1位の頭角を現し始め、

三年後の2009年(20歳の年)には

111回を投げ防御率3.00で7勝

をあげ、

以後は例外なく全ての年で

3点前後の防御率と10勝以上の勝ち星

を残しています。

 

それもほとんど完全にシーズン通して

ローテーションを守っているので、

もはやジャイアンツの絶対的なエース

と言っても過言ではないほどの存在なのです。

27歳で早くも100勝に到達しており、

日本人メジャー投手で

彼に匹敵する活躍をしている、

あるいはしたと言えるピッチャーはまだいないでしょう。

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しかしこれだけの投手でも日本では

あまり注目されないのですから、

日本人のメジャーへの関心度の低さが伺えますね(笑)

まあ日本プロ野球の人気が奪われないような

配慮がなされていることもあるとは思いますが。

 

バムガーナーの打撃成績

さて、そんな間違いなく史上に

名を遺すであろうほどの凄いピッチャー

であるバムガーナー選手なのですが、

実は彼は、それでありながら

バッティング能力も非常に高いとして有名なのです。

 

では、バムガーナー選手の

年度別打撃成績を見てみましょう。

彼の打撃が開花したのは2014年からですから、

そこからのデータのみを取り上げます。

打席数 打率 ホームラン OPS
2014年 66 .258 4本 .755
2015年 77 .247 5本 .743
2016年 86 .186 3本 .629

 

2016年は少し落ちてはいるものの、

投手としては異次元の成績です。

 

打撃の特徴

中でも特質すべきはホームラン率で、

この3シーズンで合わせて

打席が219あるのですが、

それに対してホームランが12本。

本塁打率は18.25です。

これは、

シーズン通して打席に立ったら

30本以上のホームラン数になるほどのペース

です。

完全にホームランバッターのそれですよね。

bamgarnerbatting

 

ただしホームランを打つだけであれば

そのくらいの割合で打つ選手は

投手でもいないことはありません。

(もちろん非常にまれですが)

しかしながらそういう選手は

投手であるために打者としては荒々しく、

全てホームラン狙いのバッティングをします。

そのため打率は.100程度とか、

非常に低くなる傾向が強いのですが

バムガーナー選手の場合は

2014、2015年では.250前後を保っています。

これは本当に凄いことで、なかなか

これだけの打率を残せるピッチャーはいません。

つまりバムガーナー選手は、

ほとんどの投手が残せない

打率・ホームランそれぞれの成績

を同時に残している

のです。

 

野手顔負けのops

結局、バッターとしての優秀度を測る上で

最大の指標と言っても過言ではないのはopsになります。

opsの詳しい説明はここでは省きますが、

簡単に言えば

打率・ホームラン率・出塁率

を基準とした指標です。

バムガーナー選手のopsは、この三年間で

大体.700程度となっています。

一つ例を挙げると、ジャイアンツの主力

と言っても良い長野久義選手

の2016年のopsは、.729

良い選手が出てきた!

と阪神ファンをワクワクさせた

髙山俊選手の同年のopsは.707

ですから、バムガーナーのopsは

彼らとほとんど同じくらいなのです。

 

つまり、野手としても普通に期待できる

くらいは打つよ、ということになりますね。

 

このように彼の打撃力が

野手顔負けであることから、ときには

代打としても起用されることがあるそうです。

もちろん、日本プロ野球でもわかるように

投手が代打起用されるなんてことは

完全に例外的であり、普通はあり得ないことです。

 

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凄いホームランの動画

これだけの数字を残していれば、

打席での雰囲気も明らかに

それっぽくなってきます。

長く野球に携わってきた人であったり、

プロ野球ファンをやってきた人であれば

もう構えの時点で打ちそうな雰囲気を

感じるのではないでしょうか。

 

そしてホームランの内容も凄まじいものがあります。

高く上がった打球がそのままスタンドイン。

あるいは崩されてコツンと

当てただけに見えるのに、そのまま

スタンドまで運んでしまう打球もあります。

その打撃力が、ホームランバッターと

遜色ないものであるのがはっきりと伝わってきますよね。

 

大谷翔平の二刀流との比較

これだけの圧倒的な投打の実力から、

バムガーナー選手が大谷顔負けの

リアル二刀流であるという声がちらほらあったりします。

しかしながら、ここからは

個人的な見解になるのですが、

私は大谷選手には及ばないと思います。

 

確かに、バムガーナーは

メジャーでこれだけのことを

やって退けているので本当に凄いのですが、

大谷選手は日本プロ野球界ではありますが

バムガーナー選手よりも、投打共に

圧倒的に上回る成績を残しています。

大谷選手は二刀流でありながら

高卒4年目ですでに投手として

39勝

していますし、打者として通算

ホームラン40本

打率.275

です。

 

一方のバムガーナー

高卒4年目で20勝、

ホームランはまだ打撃が開花しておらず0

でした。

これだけの差があれば、

大谷選手が今後バムガーナーと同じ

成長曲線を描くと仮定したら

メジャーでも十分に二刀流はできるだろうと思います。

 

また、現時点での打撃成績を見ても

大谷選手の2016年度のopsは1.004

なので、今すぐメジャーに行っても

バムガーナー以上の打撃成績、

.700以上は残しそうな気がします。

特に大谷選手は平均飛距離が桁違いなので、

メジャーのボールと広い球場になっても

他の選手ほどホームラン数は落ちないと思いますからね。

 

二刀流大谷が与える影響の可能性

であれば、メジャー球団としては

大谷選手の野手起用は

十分に検討するはずであり、

少なくともピッチャーに

専念するようなことには

ならないのではないでしょうか。

もちろん、来年どのような成績を

残すかも非常に大きいでしょうけどね。

 

ただし、バムガーナー選手も

大谷選手が刺激となって、もっと本気で

打撃に取り組むようになる可能性があります。

その場合、さらに成績を伸ばして

大谷選手と競うようになるかも知れません。

 

私も日本人なので、

バムガーナー選手には申し訳ないですが

大谷選手には今のすでに素晴らしい

実績を残しているバムガーナー選手よりも

さらに上のレベルを目指して欲しいですし、

彼のポテンシャルがあれば

それも十分に可能だと思います。

 

ですから、二人が争うとしたら

もっと別の次元での戦いにしてもらいたいですね(笑)